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猫にひかれて異世界生活 みじかい尻尾  作者: PYON
第二話 御子神蒼生の話
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御子神蒼生07

 ぼくは自立支援を受けることとなった。

 生活保護はいろいろ条件があって難しいとのことだった。

 まず、ぼくがまだ若いほうであり、働くことができることがネックになるとのことだった。

 先生が言うにはよっぽどでないと生活保護は受けられないとのことだった。

 それでも、最近、支給の拒否が問題となっているから少しは緩和されているらしい。


 ぼくは寮のような所に入って、就職先を探すこととなる。

 でも、寮は相部屋だし、ペットは禁止だ。

 ハナをどうしよう。

 ぼくにとって、ハナはすごく大事だ。

 無理なら就職支援はあきらめるしかない。

 空き缶や古紙を集めることでも生活はできるらしいし。

 少し考えよう。


 段ボールハウスに戻ると先生がいて、ハナを引き受けてくれるとのことだ。

 他の猫と違ってハナはすごく賢い猫だ。 

 それを先生もわかっているみたい。

 でも、ハナを飼えるようになったら、絶対に迎えに来る。

 

「先生、ハナのことをよろしくお願いします」

 ぼくは深く頭を下げる。

「いいよ。俺も昔猫を飼っていたしさ。

 この子、すごい賢いよ。大丈夫だ」

「必ず迎えに来ます」

 そう言ってハナを抱きしめる。

 ハナはじっとそのままにしている。

 普通の猫なら逃げようとするのにね。

 この子は人間の言ってることが絶対にわかっている。

 そして、ぼくは自立支援センターに向かう。


 住むところはハナがいればそれでいいけど、就職の支援は必要だ。

 それなりに身なりも整えなくてはならないし、風呂にも入れないというのはダメだ。

 ぼくは部屋を与えられる。

 相部屋だけど、みんなあまりしゃべらない。

 ここは半年以内にでていかないといけないらしい。

 本当なら支援を受けながら技能研修をしてもらうというのがあるが、ぼくはそういうわけにはいかない。

 出来るだけ早くここを出てハナを迎えにいかないとならない。


 面接とか苦手だけど、頑張らなくては。

 たぶん、いやなこととか聞かれるんだろうな。

 とくに引きこもっていた時期のことを言われたらどうしよう。

 昔、アルバイトの面接でもそれを聞かれて、耐えられず逃げ帰ったことがある。

 でも、はやくハナと暮らしたいな。

 だから、逃げないようにしよう。


 ぼくは、真面目に相談員の人と話合い、就職先を決めるのだった。

 やっぱり、ここって気力のない人が多いから、すぐに就職先を紹介してもらえることになった。

 他の人は心のケアから始めないとならないらしい。

 そうしないと、働き先は見つかってもすぐにやめてしまって、またホームレスに逆戻りしてしまうみたいだ。

 ぼくは、近くの工場を紹介してもらうことになるのだった。


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