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猫にひかれて異世界生活 みじかい尻尾  作者: PYON
第二話 御子神蒼生の話
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御子神蒼生04

「じゃあ、いろいろおしえてやんよ」

 おじさんはハナの前にしゃがんで話しかけてくる。

 ハナも悪い人じゃないってわかっているのか、おじさんを見上げておとなしくしている。

 

「お願いします」

 向こうの世界でもピグルスに騙された。

 すこし警戒はしないとね。


「まず、人間の基本は衣食住。

 服はそこらのゴミ捨て場を回ったら落ちてるよ。

 にいちゃんはMサイズくらいだから簡単だな。

 とにかく、近くのゴミ捨ての日を教えてやるよ」


「はい」

 そういえば、ゴミ捨て場にいろいろ使えるものが捨てられているのを観たことがある。


「住はここで十分だな。

 この時期は毛布を配ってくれる人もいる。

 特に宗教関係の集まりにいくことだ。

 いろいろ世話を焼いてくれる。

 ただ、信じないことだな。

 タダで物をもらえるところくらいに考えておけばいい」


 そうだな。

 神なんているわけがない。

 もし、いるのならぼくはここにいることはない。


「次に食だが、これもなんとかなる。

 わりと頻繁に炊き出しをやってくれるんだ。

 毎日というわけにはいかないが、2日に一度くらいは食える」


 2日に一度って、一日に一度は飢えなくてはならないのか。


「なあ、にいちゃん。

 三度の食事ってだれがきめたんだ。

 この生活になって、わかったことがある。

 それはいままでの当たり前は幻想だってことだ。

 昔は二食だったし、動物は一週間食わなくても大丈夫だ。

 あんがい食いだめってできるんだよ。

 そのために脂肪をためたりできるのが人間の身体なんだ。

 普通のやつらはそれを使うことはないけど、俺らは使うこともある。

 どっちかっていうと俺らのほうが健康的だろう」


 この人ってもしかしたら、元すごい人だったんじゃないかな。

 いろいろ教えてもらってるし先生ってあだ名をつけよう。


「それにコンビニやスーパーの賞味期限切れ。

 これは、最近余り気味でもある。

 だから取り合いになることは稀だ。

 とにかく、都会というのは俺らにとって住みやすいところだよ」


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