暗殺者アイザック04
カルマが戦っている間に俺は総統エグゾダスを狙う。
そうカルマと俺は光と闇。
カルマが光で俺が闇だ。
カルマが派手に戦っている間に俺は地味に仕事をする。
カルマが光れば光るほど、影は濃くなるのだ。
俺は気づかれないように、エクゾダスに近づく。
こいつを倒せば、仕事は終わる。
あとはカルマとずらかるだけだ。
「お前はだれだ」
後ろから声がする。
俺ともあろうものが気配すら感じなかった。
おれは、声のほうを振り返る。
フードをかぶった幽霊のような男が俺の後ろに立っていた。
影になって顔はわからないが、眼光だけが鋭い。
ふわりと飛んでいるような動きで俺に近づいてくる。
こいつなにかおかしい。
まるで幽霊。
暗器のようなもので俺に挑んでくる。
動きが読みにくいが、なんとか避ける。
こういった動きは体に染みついている。
目で見て避けるのではない。
自然と避けられるのだ。
これが一流の暗殺者なのだ。
殺す技術もあるが、死なない技術も必要なのだ。
俺もナイフで応戦する。
なかなかやるがこの程度の体術ならなんとかなる。
ただ、なぜか動きが読みにくい。
相手も素早い動きで俺の攻撃を躱す。
これも、人とは思えない動きだ。
身体が柔らかい。
それに体型も人間にしたら腕が長い。
まるで、猿。
こいつは、もしかして。
俺はナイフで相手のローブを切る。
切られた袖からのぞく毛むくじゃらの腕。
思った通り。
こいつは野獣。
それも相当の訓練をつんでいる。
体術だけでいえば、俺と同じくらい。
そういえば、猿を使う暗殺者の話を聞いたことがある。
これはやっかいだ。
人間相手なら、自分を超える体術の人間などいないと思う。
しかし、獣となると別。
やつらは骨格や筋肉から人間とは違う。
とくに猿の中には戦うために作られた身体を持ったのがいるのだ。
俺は敵と戦いながら、このやっかいな敵の攻略法をさぐるのだった。