表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫にひかれて異世界生活 みじかい尻尾  作者: PYON
第一話 聖剣士カルマと6人の仲間たち
82/118

吟遊詩人シキブ04

 吟遊詩人というのは、ただ娯楽を与えるための仕事ではない。

 歴史を引き継いでいく仕事なのだ。

 だから、有名な戦記はすべて頭に入っている。

 賢者は歴史に学ぶという言葉がある。

 歴史にはいろいろなものが詰まっている。 

 そこから読み解けるものがあるのだ。

 人間はおかしなもので、何度も何度も同じ失敗をする。

 だから、歴史上有名な軍師で吟遊詩人出身なんていうのもいる。

 

 だから吟遊詩人は戦略をたてるのも得意なのだ。

 今回は防衛戦。

 攻めるより守るほうが数倍やりやすい。

 まあ、1か月持ちこたえろと言われれば、困難だけど。

 この防衛戦は1日でいい。

 カルマさんがそれまでに帰ってこなければ負け、カルマさんが戻ってくれば勝ちだ。


 とにかく、相手もリフレクトを警戒して簡単に攻めてこないだろう。

 本当はリフレクトにも弱点はあって使える回数に限りがある。

 3回が限度といったところか。

 それは相手に悟られていない。

 だから、斥候を放ってくると読んでいる。

 こっちでいえば、アイザックみたいなのを使ってくるということだ。


 とにかく、相手と違ってこっちは飛び道具を使える。

 村人たちの出番だ。

 カルマさんやアイザックが教えてくれた戦略を実行する番だ。

 弓やボーガンでの攻撃。

 これで、敵は射程距離に近づけなくなる。


 門の上から村人たちが矢を放つ。

 本当なら、矢なんてそんなに連続で撃てる者はいない。

 だから、強行をすれば打ち破れるというのはわかっているはず。

 ただ、これは戦ではない。

 ただの強奪なのだ。

 敵もそれに命をかけるものはいない。

 根比べにしてしまえば、時間は稼げるだろう。

 

 それには斥候を撃退すること。

 なんか嫌な空気を感じる。

 来たのか。


 門の中の村人がいきなり血しぶきを上げて倒れる。

 頸動脈を斬られたのだ。

 何かいる。

 でも、敵が入ってきた様子はない。

 どういうこと。

 村人がまた一人倒れる。

 これは見えない感じの敵。

 やっかいな奴だ。

 わたしは、傘を広げて頭上に掲げるのだった。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ