エリル教修道士ベルツ07
門をぶち壊そうという音。
さて、わての戦いの始まりでんな。
ケントはあかんかったみたいでんな。
ほんまにいい若者でしたな。
口は悪いけど、腕も立って、性格もいい。
これから、名前を残す剣士になるはずやったのに。
まあ、向こうで、待っとってや。
わてもすぐにいくさかいにな。
わては門に向かって手を合わせる。
錫杖を握りしめ、敵が門を破壊するのを待つ。
こんな小さな村を野望のために潰す。
そんなやつら。
孤児院を壊したやつらと同じです。
革命、そんなん、勝手にやってたらよろしおます。
そやから、小さい村でも舐めてもろたらあかんってことを見せたります。
その時、向こうの空に大きな花火が上がります。
メアリーの魔法でんな。
きれいなもんです。
わても頑張らなあきまへんな。
この門の中を地獄にしたります。
カルマはんに恩を返すっていうのもありますけど、それ以外にこういうのはあかんって思います。
どういってええかわかりまへん。
もっと真面目にエリル教の教義とか勉強しとくべきでしたわ。
えらい坊主とか、ここでうまいこといわはるんでっしゃろな。
まあ、今は目の前の敵を倒す。
これしかおまへんな。
門に亀裂が走って砕ける。
木でできたもんですから、仕方ありまへん。
そして我さきにと突っ込んでくるやつら。
なんか、下衆な顔してはります。
バーゲン品を物色するおばはんみたいですわ。
わては錫杖をひと振りします。
そのひと振りで一番にここにたどり着いた兵士が吹っ飛びます。
そう、その兵士は弾丸となって、あとの兵士を倒します。
「なんだ。あの坊主は」
兵士たちは立ち止まってわてを指さします。
わては顔に飛び散った血をぬぐいます。
「わてはエリル教修道士ベルツですわ。
友との約束がありましてな。
何人たちたりともここを通すわけにいきまへんね。
すんまへんな」
そう言って笑う。
兵士たちは、わての気迫に押されながらも、気勢をあげながらわてのほうに突っ込んでくるのでした。