烈火の魔女メアリー09
きれいだなぁ。
なぜかそう思った。
そして、だんだん青い光が赤い光を押す。
たぶん、やつの魔法の方が上。
でも、わたしはさっきすごいのぶっぱなしたし。
初撃なら負けない。
ただ、惨敗ではない。
少し押し返されたくらいで、わたしの頭の上で爆発する。
これで、この門にはシキブがいないのがばれてしまった。
やつもこれで遠慮なく魔法を展開できる。
魔導士にとって、シキブはやばいからな。
この門を破壊して、兵士たちがなだれ込めばいい。
それに一番邪魔なのはわたし。
魔法使いだ。
次で本気の攻撃が来る。
お酒をのんでもガソリンは満タンになるわけではない。
半分くらいが関の山。
魔力量はやつのほうが上だろう。
でも、なんか笑ってしまう。
そういえば、カルマも敵が強ければ強いほど楽しそうに笑ってたな。
わたしもその域に達したのだろうか。
相手は魔法陣を展開する。
名門魔導士の2代目。
正統の魔法だ。
魔法陣をみただけでわかる無駄はなく洗練されている。
わたしもそれに対抗して魔法を展開する。
別に負けを確信しているわけではない。
この魔法さえしのげれば、無限の魔法タンクを持つわたしにも勝機はある。
長い時間の魔法だ。
これはカギヤの最高レベルの攻撃が来る。
相手は魔法を発動する。
魔法陣から青白い光がこっちに向かう。
わたしも魔法を発動、赤い光が青にぶつかる。
そのとたん、赤い光は消滅する。
そして、青い光だけがこっちに向かってくる。
それも広範囲の魔法でなく、効果を絞った単体攻撃だった。
シキブのバリアを警戒したのだろう。
そこからはスローモーションとなる。
青い光は氷の攻撃ではなかった。
一瞬の絶対零度、それはわたしとまわりの世界を凍らせた。
その氷結はわたしの時間さえ凍らせたのだった。