烈火の魔女メアリー08
敵の兵士たちは踊り狂う。
そう、お祭りには踊りがつきもの。
足元を這う火の玉を避けるため。
命がけの華麗なステップで。
火の玉はある程度回転したあと、止まる。
そして破裂する。
いたるところで、パンという音。
それ同時に兵士たちも弾ける。
あらゆるところで悲鳴があがる。
それはお祭りの喧騒。
わたしは手を叩いて喜ぶ。
かなり酔いも回ってきている。
そう、この状態になったら、箸がころんでもおかしい。
キャハハハハハ!
最高!
一部の兵士たちは、立て直してむかってくる。
その中に白いローブの魔導士。
兵士たちに守られながら、こっちに向かってくる。
あのローブは、まさか。
ローブには金の刺繍で名前が刻まれている。
『カギヤ・ベルナール2世』
もしかして、あの伝説の魔導士カギヤの2代目。
そうカギヤとタマヤは魔導士の家系として世襲制を取っていた。
その宮廷魔導士が革命団に入っていたのか。
わたしはあいさつ代わりに、火の玉を落とす。
これくらいの魔法なら無詠唱でできる。
その火の玉は氷魔法に弾かれる。
向こうも同じみたいだ。
やつを見ると、少し笑ったのがわかる。
この程度、取るに足らないといったところか。
さて、それでは魔法合戦をはじめますか。
わたしは新しいお酒の封を開ける。
それを一気飲みする。
わたしは炎の中級魔法を展開する。
そして、相手も氷の魔法を展開する。
わたしは赤い魔法陣、相手はブルーの魔法陣。
同時に発動する。
両方の魔法陣から放たれた光がぶつかる。
そして戦場の空で火花を上げるのだった。