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猫にひかれて異世界生活 みじかい尻尾  作者: PYON
第一話 聖剣士カルマと6人の仲間たち
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剣士ケント05

「兄貴!」

 見張りの村人からの報告を兄貴に伝えに行く。

 ついに敵が動き出したということだ。

 それも東西南北から村を囲んでいる。

 シキブが一方の攻撃しか防げないことを知られたのか。

 あと、四方から矢でも初級魔法でも射かければいい。

 それを跳ね返すことができなければ、そこから攻撃をすればいい。

 そのうち、シキブの防御能力もばれてしまうだろう。


 兄貴の部屋に入ると、もぬけの空。

 机の上に書置き。

 

「すぐにもどる。

 それまでむらをまもってくれ」

 相変わらず汚い字だ。

 たぶん、敵の中心部に行ったのだろう。

 アイザックもいなくなっている。

 たしかに、この村が勝つにはそれしかない。

 敵の頭を潰して、指揮系統を混乱させるしかないのだ。


 それなら、俺も連れて行ってくれたらいいのに。

 俺たちを置いていったのは、カルマさんのやさしさ。

 いくらカルマの兄貴でも生きて帰るのは難しい。

 刺し違えるのが精一杯。


 追いかける。

 いや、兄貴が俺に求めてるのは。

 生きろということ。

 兄貴が失敗したら、俺は村を守る意味がなくなる。

 俺があきらめて引き上げると思っているのだろう。

 それはシキブもメアリーもベルツも同じ。

 そこまで、自分に義理立てはしないと思っているのだろう。


 そんなわけあるかよ。

 最初は兄貴の剣を教えてもらいたいと思っていた。

 でも、もうそれは無理だと解かっている。

 兄貴の剣は兄貴だからできるんだ。

 ただ、兄貴につきまとうことで分ったことがある。

 

 漢の生きざまってやつだ。

 損得ではない。

 どうせこの世に命を受けたんだ。

 かっこよく生きてやる。

 兄貴はそれを自分の背中で俺たちに教えてくれた。


 さあ、俺も自分の仕事をしよう。

 まず、前に出て斬れるだけ斬ってやる。

 こっちもやばいやつがいるということを教えてやるんだ。

 それで、相手は攻撃をしにくくなる。

 

 さあ、殺りあおうぜ。

 俺は聖剣士カルマの一番弟子、飛燕のケントだ。

 


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