表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫にひかれて異世界生活 みじかい尻尾  作者: PYON
第一話 聖剣士カルマと6人の仲間たち
63/118

聖剣士カルマ41

 剣の長さは信用できない。

 相手の得物は剣ではないと思おう。

 相手の武器は飛び道具なんだ。

 しかし、銃ほど早くはない。

 いわば、野球の投手の投げる球。

 ちゃんとからくりがわかっていれば避けられる。

 生来の動体視力の他に猫の力がある。

 相手の攻撃が空気の流れが見えるのだ。

 猫は犬よりも耳がいいと言う。

 遠くの音や人間の聞こえない音まで聞こえる。

 そして、その音の振動が耳の毛に伝わって距離や動きを伝えるらしい。

 

 ヤクモの剣は右から来る。

 楽勝だ。

 当たる気がしない。

 攻撃の後に隙が生じる。

 ここがチャンスだ。

 俺はヤクモの近くに走り込む。

 姿勢を低くして、猫のように素早く。

 相手の剣先は後ろから俺を追いかける。

 わかってるぜ。

 それが戻ってくるよりも俺の剣がヤクモを斬るほうが速い。

 俺はヤクモを突く。

 ヤクモはその剣を避ける。

 やはり、相手も達人だ。

 しかし、俺もその攻撃が通るとは思っていない。

 俺は刀を返して、斬り上げる。

 そう、これが俺のやり方だ。

 上からの攻撃よりも下からの攻撃の方が避けにくい。

 そして、相手は剣で受けることもできない。


 刀が何かに当たる感触。

 そのまま、大地を蹴る。

 これで終わりだ。

 後ろから戻ってくる剣を避ける。

 とりあえず、俺の勝ちだ。

 今まで戦った中でも一番の剣士だった。


 その時、ヤクモは口から血を吐きながら笑う。

 俺の剣はヤクモの肺を貫いていた。

 嫌な予感。

 俺は自分の勘の言う通りに避けようとする。

 しかし、ヤクモは俺の刀をつかむ。

 一瞬回避が遅れる。

 俺は身体をねじって俺に向かうものを避けようとする。

 間に合わない。

 そう、剣先は2つに別れて戻ってきたのだ。

 右からの剣は避けられたが、左からのものを予想していなかった。

 俺は左腕で剣を受ける。

 ヤクモはこと切れる。

 そして、俺の左腕は切断され、地面に落ちるのだった。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ