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猫にひかれて異世界生活 みじかい尻尾  作者: PYON
第一話 聖剣士カルマと6人の仲間たち
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聖剣士カルマ40

 ヤクモの体勢からは、うけられるはずのない角度。

 しかし、俺の剣先はヤクモの剣に弾かれたのだ。

 一度、俺は後ろに飛ぶ。

 俺は自分の危機感知を信頼している。

 これも猫の眷属の能力によるものだろう。

 まるで、少し先の未来がわかるような感じさえする危機感知なのだ。

 

 その離れ際にヤクモの能力がわかる。

 俺の剣を弾いたあと、ヤクモの剣はこっちに向かう。

 それは剣先だけが生き物のようにこっちに来るのだ。

 まるで蛇のように、生きているように剣が変形するのだ。

 こいつの正体は鉄を変化させる力。

 剣先だけに集中してヤクモの剣を弾く。

 そう、俺の動体視力を舐めるな。

 元の世界でも俺はゲームがうまいほうだった。


 弾かれた剣は元の形に戻る。

 さて、手品の種はわかった。

 ただ、ヤクモはこの変な剣を使いこなしている。

 どうしようか。

 勝算は五分といったところか。

 

 おもしろい。

 これはゲームではない。

 一瞬の油断や判断ミスは文字通り命取りとなるのだ。

 相手も俺の能力を解かっている。

 油断なく慎重に足を運ぶ。

 

 本来なら猫変化を使うのだが、短時間しか使えない。

 相手は今まで戦った中でも一二を争う剣士だ。

 普通はこいつがボスだろう。

 だが、これはゲームではない。

 必ず攻略できるようバランスの調整をされているわけではないのだ。


 ただ、俺は難しいゲームほど燃えるところがある。

 とにかく猫変化を残して、こいつを倒すしかないのだ。

 

 相手は上段に構える。

 そろそろ、次の攻撃が来るはずだ。

 この危険と隣り合わせの感覚。

 背筋がぞくぞくする。

 そう、これは戦うために脳内にアドレナリンが分泌されているとかそういうのだろう。

 

「さあ、来いよ。

 殺りあおうぜ」

 俺はヤクモを挑発する。


「ああ、お前を斬ってやるよ」

 すり足で近づくヤクモ。

 そして、まだ間合いに入らないうちにヤクモは剣を振り下ろす。

 その剣先が伸びて俺に襲いかかるのだった。

 


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