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猫にひかれて異世界生活 みじかい尻尾  作者: PYON
第一話 聖剣士カルマと6人の仲間たち
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聖剣士カルマ38

 中には20人くらいか。

 親衛隊だけにそれなりの強い兵士を集めている。

 いつの間にかアイザックは消えている。

 そういうことか。

 アイザックには彼の戦い方がある。

 それを生かすには、できるだけ派手に立ちまわることだ。


 おれが注目を集めて、その隙にアイザックが自分の仕事をする。

 それが俺たちバディのやり方。

 しばらく闇の仕事はしていないが、息はぴったりだ。

 

「おまえは誰だ!」

 兵士の一人が問いかける。

 

「カルマだ。

 ただの冒険者、故あってヴァルニールの村を守っている」


「しかし、一人でここに来るなんて、お前はばかか」


「いや、おまえらごとき、俺一人で十分だ」

 やつらを挑発する。

 本当はこういうのは俺のやり方ではないが、ここでは俺が目立つほどいい。

 バカほど頭に血が上る。

 戦いの途中では余計な考えは必要ない。

 戦うときは冷静でなくてはならない。

 たぶん、上のほうにはこういう手は通用しない。

 だが、とりあえず人数を削らなくてはならないときはこの手もありだ。


 2人の兵士が斬りかかってくる。

 やはり力が入りすぎだ。

 それにくらべ、俺は冷静だ。

 兵士の剣筋は止まっているように見える。

 できるだけ、ぎりぎりで避ける。

 それも余裕がある感じで。

 そうすることで、なめていると思わせる。

 よりヘイトを稼ぎにかかるのだ。

 相手をつかんで前方に押す。

 相手は将棋倒しになる。

 そして、混乱する。

 そこに飛び込んで剣を大振りする。

 狙いすますのではなく、当たればいいという攻撃。

 混乱した場では、こういうのが生きる。

 その間に後ろからアイザックが敵兵士に襲い掛かる。

 この攻撃は地味だ。しかし、確実に兵士の死体を積み上げていく。

 相手は何が起こったのかわからないままに倒れる。

 それも、相手を混乱させる。

 前の派手な剣士だけでなく、何かがおきている。

 しかし、考える時間がない。

 俺はどんどん前に進んでいく。

 彼らは俺だけに集中できない。

 俺の周りにいつの間にか倒れた兵士たちが積みあがるのだった。


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