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猫にひかれて異世界生活 みじかい尻尾  作者: PYON
第一話 聖剣士カルマと6人の仲間たち
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烈火の魔女メアリー05

 わたしの家は父がなくなったため、取りつぶされることとなった。

 一世限りの男爵位であったことと山賊に殺されたということから、仕方ない措置ではあった。

 でも、わたしと母では領地を治めることはできないし、これで良かったんだと思う。

 それなりの年金も受けられることになったから、生活には困らなかったし。

 わたしは、貴族の通う学校にも通えることとなった。

 そこで、魔法の才能が開花したのだ。

 わたしの魔力量は一般の人に比べて多かったのだ。


 わたしは学校を卒業すると、魔女として冒険者ギルドに登録した。

 母は反対したんだけど、わたしは夢を捨てられなかった。

 わたしの夢、それは、カルマのお嫁さんにしてもらうこと。

 そう、そのために冒険者となったのだ。

 冒険をしているといつかあの人に会えると思ったのだ。


 冒険者として魔女は重宝された。

 とくにわたしのようなレベルの攻撃魔法を使う魔女は貴重だった。

 すぐにA級の冒険者となった。

 でも、カルマには全然出会えなかった。

 わたしは生きがいをもうひとつ見つけた。

 それはお酒だ。

 クエスト成功のあとの打ち上げで、お酒を飲んだんだけど。

 世の中にこんなおいしいものがあるとは思わなかった。

 わたしはお酒にはまることになった。

 冒険者は基本お酒が好きだ。

 まあ、命をかける仕事だから、飲まなくてはやってられないということもあるのだろう。

 わたしは酒場の人気者となったのだ。

 もちろん、わたしを酔わせてどうにかしようという輩もいないわけではなかった。

 でも、わたしは飲み比べでは負けたことはなかったし、もし記憶がなくなったとしても、ちゃんと自分の宿で寝ていた。

 ただその次の日はみんながわたしを恐れているような感じがするのだが。

 やっぱり思い出せない。


 そして、わたしはあることに気づいた。

 お酒を飲んだら、わたしの魔力はより強く多くなるのだ。

 酔えば酔うほど魔法の威力が強くなるのだ。

 記憶がなくなるくらい飲んだあと、町に巨大なクレーターを見たことがある。

 わたしがやったらしいけど、全然覚えていない。

 わたしは炎魔法が得意なことから烈火の魔女と呼ばれるようになった。


 そして、やっとカルマに再会したのだ。

 貧しい村の依頼でのゴブリン討伐、割の悪い依頼だったが、関係なかった。

 わたしもそのクエストに手をあげた。

 その時からずっとカルマを追いかけている。


 今回は本当にやばい仕事。

 でも、これで死んでも悔いはない。

 カルマと一緒なんだからね。

 わたしは、櫓の上に上る。ここから敵に魔法を打ち込んでやる。

 わたしの横には集められる限りのお酒。

 わたしは、一番好きなスピリッツの蓋をあけ、口をつけた。

 命をかけた宴会が始まったのだった。



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