烈火の魔女メアリー01
カルマは覚えているのだろうか。
わたしのこと…
たぶん、あんな人だから覚えてないんだろうな。
でも、それでもいい。
カルマはわたしにとってヒーローなんだから。
わたしは小さいながらも貴族の娘だった。
あの時、わたしはまだ12歳だった。
両親と旅行に行った帰りにわたしたちの馬車は盗賊に襲われた。
もちろん、こっちも護衛の従者を連れてたし、父も貴族のたしなみとして剣を使えたのだった。
ただ、相手は普通の盗賊ではなかった。
B級冒険者崩れを含む10人の盗賊団だった。
普通貴族の馬車は狙わないのだけど、こいつらは違った。
自分たちの力を十分に理解していた。
護衛とちがって、奪う方は相手が強ければ逃げればいい。
どんな敵でも体を張る必要はない。
そんなやつらに私たちの馬車は襲われたのだ。
こっちの護衛はB級1人とC級が2人。
普通はこれでも十分なくらいの護衛だった。
ただ、わたしたちは運が悪かった。
盗賊団がバカすぎたことだ。
普通、盗賊団は貴族は襲わない。
もし、そんなことをしたら賞金をかけられて追われるからだ。
その時はいい。
でも、賞金首となるとあらゆるところから狙われるようになる。
すべての冒険者が敵になるのだ。
もう、宿屋で休むのにもゆっくりと休むことはできない。
宿屋が冒険者に情報を売ることがあるからだ。
ただ、バカたちは義賊を気取っていた。
俺たちは腐った貴族大きな商人を粛清しているだけだという。
そんなやつらに私の馬車は狙われたのだ。
いきなり護衛が斬り捨てられた。
そして、父が剣を持って戦うこととなった。
父の剣は貴族の剣、所詮彼らの殺人のための剣に敵わなかった。
父は3人の剣士によってなぶり殺しになれた。
そして、私と母と侍女たちの4人が馬車から出されることとなった。
それを囲み見下ろす盗賊たち。
その顔には下種な笑み。
「このババアは使えそうもないな。
あとは侍女だが、まあまあといったところか。
そして、この娘、なかなかの上物だがな。
そういう趣味のやつもいたよな。
こいつら貴族は奴隷として売れないからな」
そう、貴族を奴隷として売るのはリスクが高すぎるのだ。
もし、見つかったときには持ち主は死刑となってしまう。
そのため、表の市場だけでなく裏の市場でも敬遠されるのだ。
売ったところから足がつくこともある。
結局、自分たちで楽しむしかないのだ。




