聖剣士カルマ36
「どこにいくにゃん?」
小首をかしげる幼女。
「いや、ちょっとそこまで…
すぐに戻る」
こいつがいたらややこしくなる。
とりあえず、まこう。
「いっしょにいくにゃん」
「すぐに戻る。
だから、待っていてくれ」
「だめだにゃん。なんか怪しいにゃん。
みんなに黙ってでていくのはおかしいにゃん」
猫にゃんは必死で考えている。
「実は危険なところに行くんだ。
2人で敵の頭を倒してくる」
「わかったにゃん。
みんなに秘密でおいしいものを食べに行くつもりにゃん。
騙されないにゃん。
それに、お前を監視してるにゃん。
ついていくにゃん」
こいつは全然話を聞いていない。
「わかった。
しかし、俺たちは危険なところに行くんだ。
危なくなったらすぐに逃げろ。
おまえひとりなら逃げられるだろう。
それに俺が死んだらおまえの仇討ちも終わるだろう」
猫にゃんはくるんと回転し灰色の毛玉に戻る。
そして、俺のズボンに爪をひっかけて登る。
そして、俺の肩から頭の上に上る。
そこから、俺の背中の袋の中にはいりこむ。
荷物の中も猫にゃんの好きなところだ。
メロディも病院に行くときのゲージにはなかなか入らなかったが、旅行バックの中には紛れ込もうとしていた。
猫は自分で歩かないのだ。
まあいい。
猫の一匹くらいそんなに荷物にならない。
「アイザック待たせたな」
アイザックは無言でうなづく。
準備完了だ。
俺たちは、森の中へと足を進めるのだった。