聖剣士カルマ30
「みんな逃げるにゃん!」
俺はみんなに叫ぶ。
それから、みんながいないほうに逃げる。
たぶん、この魔法は…
魔法はおれについてくる。
ステルス機能付きだ。
魔法の球は俺に命中する。
耳をつんざくような爆音。
そして、爆炎と土煙が俺をつつむ。
村人たちの悲鳴。
まわりはみんな俺が倒されたと思っているのだろう。
だんだん煙ははれてくる。
そこに俺は無傷で立っている。
俺のまわりの地面はえぐられクレーター状になっている。
まあ、アキヒロを殺したときに比べたら小型になっている。
これがマグロ味ということか。
たぶん、元の世界で餌に書いてあった言葉を覚えていたんだろう。
餌にスペシャルな感じで書いてあったからスペシャルな言葉だと思ったんだろう。
スーパーとかメガとかそういうような。
猫ニャンらしい思考方法だ。
だが、俺には猫ニャンの魔法は効かないみたいだ。
おれはなぜか猫の眷属という称号を持っている。
この称号のおかげだと思う。
おれはクレーターの中に立っている。
「効かないにゃん。
おかしいにゃん。
マグロ味にゃん。
この前の魔法とはちがうにゃん。
寝る時間を10分も削って作ったにゃん」
いや、もともと無駄に威力が強かったし、少しくらい威力が上がっても意味がない。
まあ、命中率は上がっているかもしれないが。
それから、猫ニャンは17時間くらい寝るだろ。
10分くらい誤差の範囲内だ。
「とにかく、アキヒロの敵にゃん」
猫ニャンは俺にパンチやキックを繰り出してくる。
しかし、猫の眷属にとってはただの猫パンチに猫キックだ。
手のひらでいなせてしまう。
「悪いが、お前の攻撃は効かないにゃん。
まあ、俺の話をきくにゃん」
俺は話し合いを求めるのだった。
「おまえの語尾はおかしいにゃん。
バカみたいだにゃん」
猫にゃんは俺の言葉を笑う。
いや、お前もだ。
まったく猫ニャンの考えていることはわからないのだった。