聖剣士カルマ29
そこにこの猫ニャンが来て、建物をぶっ壊したり、貴族をぶっ飛ばしたり。
俺にも魔法をぶつけてきたんだけど、なぜかやつの魔法は全然効かなかった。
ミーニャといったかな。
アキヒロのことで俺には恨みをもっているはずだった。
そして、ここに来たということは、俺を殺しに来たということか。
ややこしいところにややこしいのがやってきたものだ。
とにかく、今は猫ニャンに構っている場合ではない。
あいつと話をして待ってもらうしかない。
今、俺が倒されたらこの村はやばいことになる。
俺は手をあげて出ていく。
「カルマだにゃん。
わたしはラーニャだにゃん。
ミーニャとはちがうにゃん。
アキヒロを殺したおまえを殺しに来たにゃん」
いや、あの時の猫ニャンだろう。
その設定替えは意味がわからないし。
「兄貴を殺すだって?
このチビが?」
ケントが絡んでくる。
なんか、こいつって俺へのリスペクト半端ないんだよな。
しかし、こいつくらいじゃ、猫ニャンの相手にならない。
とにかく、止めないと。
「ケントやめておくにゃん、こいつは」
言葉は治らないし、遅かった。
「うるさいにゃん!」
ケントが猫ニャンを捕まえに行く。
そのケントに手をグーにしてスナップだけのパンチ。
俗にいう猫パンチだ。
そのリーチの違い。
ケント、なんかあたりにいってないか?
ケントは派手に回転して転がっていく。
「待つにゃん。
俺が話をきくにゃん」
俺は猫ニャンの前に立つ。
「おまえが、カルマにゃん?」
猫ニャンは腕を組んで、背をそらす。
精一杯、偉そうにしたつもりだろう。
それに知ってるだろう?
その初めて会うって謎設定の意味がわからない。
「そうにゃん」
「わたしは神官アキヒロからこの世界を託されたものにゃん。
おまえはこの世界の敵だにゃん。
お前を成敗しにきたにゃん。
ニャンゴルモア!マグロ味だにゃん」
猫にゃんはそう言って、指を天に掲げるのだった。