聖剣士カルマ26
とにかく、第一の波は退けた。
いちおう、計画どおりだった。
ただ、最後はダメダメだった。
猫の力は使いたくなかった。
奥の手というのもあるが、気を失ってしまうのはいただけない。
一部、逃げた敵もいるから、相手に知られてしまったかもしれない。
3時間くらい寝たのだろうか?
ケントとベルツが俺を連れ戻ってくれたんだろう。
ベットで目覚めると、メアリーが微笑む。
「カルマ、良かった大丈夫だったんだ」
ずっとみてくれてたんだろう。
俺に抱きついてくる。
無駄にやわらかい胸が俺の胸に当たる。
「ずるいです。メアリーさん。
すぐに離れてください」
シキブがメアリーを引きはがす。
「大丈夫、にゃん」
俺は、答える。
しかし、言葉は簡単にもとにはもどらない。
「何?その言葉?
かわいい」
「これは能力の副反応ニャン。
すべてが強化されるんにゃけど、語尾がおかしくなるんにゃ」
あーあんましゃべりたくない。
「でも、無事で良かったです。
今度はわたしも連れて行ってください。
全力でカルマさんを守ります。
っていうか、村の人たちを守るよりカルマさんを守るのがわたしの仕事です」
シキブが胸の前で両拳を握る。
その気持ちはうれしいけど、シキブがどこにいるかわからないことが重要なんだ。
「カルマはん、大丈夫でっか。
心配しましたで」
「兄貴、起きたんだ。
よかった。
それにしても、あの攻撃見えなかったっす。
すごかったっす」
ベルツとケントが駆け込んでくる。
「みんなありがとうにゃん」
やっぱ、語尾はしばらく治らないのだった。
もう、しゃべらないでおこう、そう反省するのだった。