聖剣士カルマ24
「いくぜ」
フリードマンはラッシュをかけてくる。
そんなに斧使いがうまいわけではない。
しかし、防御を考えない攻撃は脅威。
しかたない。
あれをやるか。
おれは大きく距離をとる。
「逃げるのか?」
「いや、奥の手だ。
猫の手といったほうがいいかな」
「猫の手?」
「そう、奥義猫の手を借りるだ」
おれの身体をオーラが包む。
「ほう、すごい気だな。
だが、すべての能力を俺は跳ね返すことができる」
俺の頬に髭が生えてくる。
頭には三角の耳。
そして尻にはしっぽ。
身体中をモフモフの毛が包む。
人猫といった風貌になる。
「なんだ、それは」
「猫変化だにゃん」
言葉も語尾がおかしくなる。
そして、そのまま剣を構える。
「そんなことしても無駄だ。
俺にはどんな攻撃も通じないのだ」
「にゃん」
おれは剣を構えて突っ込む。
低い姿勢で、走る。
そう、この形態になったら、身体が軽くなる。
身体能力がとんでもないことになるのだ。
相手は避ける気配がない。
剣を決めた途端、斧をたたきつけようというのだ。
俺は飛び上がって剣を一閃させ、フリードマンの後ろに降りる。
俺はそのまま静止する。
フリードマンもそのままの姿勢で固まる。
効いたのか?おれは確かめるように振り返るのだった。