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猫にひかれて異世界生活 みじかい尻尾  作者: PYON
第一話 聖剣士カルマと6人の仲間たち
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聖剣士カルマ20

 まず、右側の男。

 ロングソードで斬りかかってくる。

 なかなかの腕だな。

 おれはそれをすれすれでかわす。

 そう、これが俺の戦い方。

 ぎりぎりのところで勝負をする。

 深層心理ではスリルを楽しんでいるのかもしれないが、これが利のある戦い方だ。

 相手の間合いのすこしでもそばに入り込む。

 そして、躱した途端、相手は隙だらけになる。

 この間合いからならその一瞬の隙をつけるのだ。

 ケントが教えてほしいというのはこの奥義なのだろう。

 だが、これは教えられるものではない。

 恐怖さえ克服すればだれでもできるのだ。

 死中に活を求めるとでもいうのだろうか。

 まあ、俺にもわからないな。


 その一瞬で剣を一閃させる。

 相手の両腕が剣ごと地に落ちる。

 なぜ、殺さない?

 べつにやさしさではない。

 両腕がなくなるくらいなら、この世界では死んだ方がいい。

 ただ、俺に一番近いから、それだけだ。

 首を落とすのは遠いし、その間に何があるかわからない。

 とりあえず、戦闘能力を削れればいいんだ。

 暗殺の時は別の方法をとる、まず武器を抜かせない。

 後ろから、笑って近づいて斬るだけだ。

 まあ、こういう戦闘では戦闘能力をなくせばいいのだ。


 さて、あとは。

 たぶん、年齢から言って今のは下っ端だろう。

 斥候はそういうのが来る。

 そして、次のやつが本当の側近。

 それなりの力を持っているのだろう。


 俺は低く構える。

 腰を落として、つま先立ちになる。

 とにかく1秒でも速く反応する姿勢だ。


 相手は簡単に斬ってこない。

 そう、間合いを俺に悟らせないようにしている。

 ゆっくりと俺の周りをまわるように動く。

 40歳くらいの剣士か。

 剣士としてその歳まで生き延びてきたんだろう。

 そういうやつの特徴は、慎重さだ。

 相手の剣を受けながすのがうまい。

 猪突猛進型は生き残れない。


 だから、こっちから行く。

 普通にではない姿勢を低くする。

 俺はその姿勢から地を這うような攻撃を見舞うのだった。

 

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