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猫にひかれて異世界生活 みじかい尻尾  作者: PYON
第一話 聖剣士カルマと6人の仲間たち
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聖剣士カルマ19

 メアリーの花火もやんだ。

 そろそろ終わりだろうと思っていた。

 もう、メアリーは熟睡しているだろう。

 酒を飲んで暴れるだけ暴れて寝る。

 これがメアリーだ。

 そう、一流の魔法使いである彼女が、落ちぶれた冒険者をやっているのは、それが理由だった。

 とにかく、使い勝手が悪いのだ。


 さて、あとは俺の仕事。

 たぶんアイザックやベルツでも、倒せるだろう。

 しかし、これは俺の仕事だ。

 俺には自分を安全な場所において、他の者を戦わせるなんてことはできない。

 青いかもしてないが、危険は率先して引き受けるのがリーダーだ。

 今回、村人にも厳しいことを言ったり強いたりしてきた。

 その俺が後ろに隠れているなんてできない。

 俺はみんなにうまいこと言えない。

 しかし、背中で語ることはできる。

 見ておけ、これが聖剣士カルマだ。


 フリードマンは、振り返って俺を待ち受ける。

 そう、俺だけでも倒そうということか。

 それなりに腕に自信があるのだろう。

 

 俺は剣をかまえてフリードマンに近づく。

 この剣はおれの相棒といってもいい。

 ミスリル製のロングソードだ。

 とにかく、手にしっくりくる。

 剣は重くてもいけないが、軽すぎてもいけない。

 振った時のバランスも必要だ。

 バランスによっては軽い剣も重くなり、重い剣も軽くなる。

 この剣は皮肉なことに神官アキヒロの手によるものだった。

 あるクエストの報酬として得たものだが、今なら1000ゴールドはくだらないと言われている。

 もちろん、売る気はない。


 向こうも俺に近づいてくる。

 2人の部下を引き連れて、にやにやと笑いながらこっちに来る。

 スキンヘッドにデブの巨漢だ。

 両手に手斧を持っている。

 

 さあ、りあおうぜ。

 俺も笑みを浮かべる。

 なぜか命をかけるとき、笑ってしまう。

 そう、命のやり取りにぞくっとするんだ。

 まるで、やばいやつみたいだ。

 だからメロディが心配そうに夢に出てくるのかもしれないな。


 まず、2人の部下が突っ込んでくる。

 俺の腕を見ようというのか。

 べつに隠すようなものはない。

 俺の剣に型なんてないんだからな。


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