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猫にひかれて異世界生活 みじかい尻尾  作者: PYON
第二話 御子神蒼生の話
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御子神蒼生27

 事業はどんどん広がっていってる。

 この都心から1時間以上離れた郊外の町は、猫で町起こしをしたということで有名になっている。 

 ときどき雑誌やテレビで市長のインタビューを見ることがある。

 若い人もどんどんこの町に入ってきてるらしい。

 カフェの周りは猫関係のお店が並ぶ。

 この街は一種猫のテーマパークとなったのだ。

 

 それから、ぼくがもしもの時のために買った山で温泉がでたらしい。

 ここでは持ち主が亡くなって買い手の付かない山は、そのまま放置されている。

 その一部を無理やり押し付けられたのだ。

 ただ、将来もっと猫を助けられるようになったら使おうくらいの気持ちで買ったものだ。

 市が猫だけじゃなくて、他に観光資源がないかと、隣の土地で温泉を掘ったらでたみたいだ。

 ぼくの山も調査して温泉がでることがわかっている。

 この温泉地は猫温泉と名付けられるらしい。

 いちおう、ぼくも猫と一緒に泊れる温泉宿を考えている。


 そしてジェットコースターのような日々がやっと落ち着くこととなった。

 ぼくと初瀬さん、いや莉緒さんは結婚することとなった。

 ささやかな式をあげ、少し休みをもらって新婚旅行に行った。

 ひさしぶりの休みだった。


 そして、猫カフェはすごく順調だ。

 もう、社員は100人を超えている。

 内部留保もつみあがって、会社が赤字になっても10年は耐えられる体力がある。

 

 今、ぼくは自分の家のリビングでノートパソコンを開いている。

 ソファーの横のベビーベットには、ぼくの息子が寝ている。

 息子の横にいるのはハナだ。

 優しい目で息子を見ている。


 莉緒さんは、台所で後片付けをしている。

 いままで、すごく忙しい目に合わせているのに文句のひとつも言わない。

 すごい人だ。

 ぼくは莉緒さんを大好きだけじゃなくて尊敬している。


 ぼくは、ノートパソコンで小説家になろうのページを開く。

 そう、ぼくは今までのことを書き残しておきたくなったのだ。

 つまらなくてちっぽけな僕のこと。

 ぼくを助けてくれた二匹のハナのこと。

 ぼくよりずっと年下なのにすごい人である莉緒さんのこと。

 ぼくを助けてくれた、社長、奥さん、先生、井頭さん。

 お世話になったすべての人のこと。


 感謝の気持ちをこめて、ログインIDとパスワードを入れる。


 新規小説作成のボタンを押すと、題名を入力するところが現れる。

 ぼくは、珈琲に口をつけ少し考える。

 そうだな…何にしようか…


 ぼくはカップをパソコンの横に置き、キーボードを叩く。

 画面に文字が一文字づつ現れる。

『ねこにひかれていせかいせいかつ』

 ぼくは、そのあと変換キーをおす。

『猫にひかれて異世界生活』

 僕は静かにエンターキーを叩いた。


第二話 御子神蒼生の話 了

 蒼生さんの話は終わりです。

 こんなのがあったらいいな、みたいな夢を描きました。

 でも、PYON=蒼生ではありません。

 蒼生さんはアヤトやアキヒロさんの話は知らないのです。

 だから、蒼生さんの書いた物語は、別の「猫にひかれて異世界生活」なのです。

 それでは、次の物語は誰のお話にしましょうか。


 とりあえず、少しお休みとなります。

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