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猫にひかれて異世界生活 みじかい尻尾  作者: PYON
第一話 聖剣士カルマと6人の仲間たち
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聖剣士カルマ09

「黒蠍革命団でっか。

 そら、やっかいなやつらですわ」

 ベルツが難しい顔をして、腕を組む。


「革命団とは名ばかりで、村を襲って弱い者から根こそぎ奪う盗賊団だと聞いています」

 シキブも黒蠍のことを知っているようだ。

 彼女はこの時代のジャーナリストだ。

 ニュースを仕入れて歌にして伝える。

 向こうの世界のテレビの役割をしているのだ。

 だから、いつもアンテナを張り巡らせているのだ。


 アイザックの情報通だ。

 向こうについたら、諜報活動をしてくれるとのことだ。

 隙があれば、首領を暗殺するとのことだ。


 それから、ギルド長が動いてれるとのことだ。

 国のほうに働きかけて、革命団に軍を派遣してくるれるように頼むとのことだ。

 義理堅い男で、いままでの俺に対する借りを返す機会だと張り切ってくれている。

 もし、国が動いてくれるようなら勝利条件は変わる。

 国が来るまで持ちこたえればいいからだ。

 それでも五分五分といったとことだろう。


 それから、こいつら以外にもついてきたがる冒険者も多数いた。

 ただ、それはすべて断った。

 こいつらほどの冒険者なら、ソロなら逃げることができるだろう。

 しかし、B級の冒険者はそういうわけにはいかない。

 いざというときに足手まといになる可能性があるのだ。


 馬車で一日程度の距離。

 間に合うといいのだが…


 今回は初めての防衛戦だ。

 普段は魔獣を倒したり、盗賊を倒したりで、攻撃的な依頼ばかり受けていた。

 確かに商人の旅の護衛なんてクエストもあるのだが、俺はそういうのに興味はなかった。

 恵まれた人間を守るだけの仕事。

 冒険者としては、割のいい仕事。

 商人ってやつは危険なところには近寄らない。

 だから、何も起こらないことがほとんどだし、実入りもいい。

 基本的に真っ先になくなる仕事だ。

 だから、大商人となるとA級冒険者限定で依頼することもある。

 そうなると、完全見栄の依頼だ。

 自分の力を見せつけたいだけとなるのだ。


 俺にも名指しで何度か依頼が来たことがある。

 それはすべて断った。

 俺を雇おうというやつらは、金貨で人を自由にできると思っている胸糞の悪いやつらばかりだ。


 今回の作戦は、俺の頭の中にある。

 本当であれば、軍師がいればいいのだが、今回はそんな頭脳派はいない。

 俺についてくる時点でバカばっかりなんだけどな。

 俺たちはノーペアで勝負するポーカーのような戦場へ向かうのだった。

 


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