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2話 ランダム召喚2人目

真っ黒騎士を倒したあとクロネとリンスは2人で城を目指していた。

「そういえば、クロネ様が元の世界で入っていらしたギルドとはオウガ様の他にはどのようなお方がおられるのですか?」

「わたしのギルドにいる人達は変な人ばっかりだよ?クロネコっていう名前のギルドなんだけど、おじさんと私を入れて8...いや7人しかいないの。みんな変だけど強い人ばっかりですごく頼りになるの!あ、、1人だけいらないのがいるわ...」

「それはどんなお方なのですか?」

「...変態」

「変態...ですか?」

「うんとりあえず、1番会いたくないの。」

「そうでしたか。。」

そんな話をしているうちにリンスの城がある国に到着した。

「でかくない?」

国の入口である門からみてもリンスの城はめちゃくちゃでかかった。

「もしかしてリンスってすごいお家のお嬢様??」

「私、アルバンス•リンス。アルバンス家当主の1人娘なのです。」

あとで聞いた話によるとアルバンス家はこの世界

ガレリアで1番の経済的力をもつ一族だという。

ガレリアというこの世界で1番の大国、『ガミル』で当主を務めてる。それがリンスの父親らしい。

つまり、超がつくほどのお嬢様だ。

「へいらっしゃーい、って。お!リンス様じゃないですかい!またうちの店寄ってって下さいよ!」

街の商人に話しかけられるリンス

「ごめんなさい、今少し急いでて。。また今度きますわ。」

その後も城への道中リンスに話しかけてくる人がたくさんいた。どうやらリンスは国の人達に慕われているらしい。

「いい国だね。リンスがこんなに慕われてるのにびっくりした。」

「えぇ、この国の人達はみんないい人達ばかりなんです!」

リンスはとても嬉しそうだった。

「リンス様!お帰りなさいませ。ご無事で何よりです。護衛の者達は如何なされたのですか?」

城の入り口で城の警備をしている騎士にリンスは告げた

「城への帰還の道中真っ黒騎士に襲われ、護衛の2人は真っ黒騎士に...」

「...そうでございましたか。。リンス様がご無事で何よりです。どうぞゆっくりお休みください。」

「ごめんなさい。ありがとう。」

ようやく城に到着したクロネとリンス

「ではまず、私のお父様にクロネ様を紹介したいので、ついてきてくださいますか?」

リンスについていきリンスの父親の部屋の前まで来たクロネ。

トントン

「どうぞ、お入り下さい。」

とても優しそうな声であった。

「お、おじゃましまーす、」

「ようこそお越し下さいました。勇者様ですね?歓迎いたします。わたくし、リンスの父のアルバンス•リンスティンガと申します。リンスもよく無事で戻ったね。それにしても、勇者様がこのように若いお嬢様だったとは、驚きました。」

「どうも!はじめまして!クロネって言いますよろしくね⭐︎」

クロネはとびきり可愛く自己紹介した。

「お父様、帰りの道中魔王軍幹部の真っ黒騎士に遭遇致しました。しかし、クロネ様の魔法によって呼び出されたクロネ様のお仲間、オウガ様によって真っ黒騎士を討伐することに成功しました!」

「ほほお、真っ黒騎士を倒したのですか。流石は勇者様とそのお仲間。お強いようで何よりです。」

「あ、あの!わたし実は強くないんです...」

クロネは自分のステータスのこと。呪いのこと。全てを話した。

「ふむ、なるほど。勇者様のステータスが下がってしまったのですか。さらに呪いまで。。勇者召喚の儀に何か不備があったのでしょうか...」

クロネはリンスのパンツの事は黙っていようと思った。

「とりあえず、今わたしはステータスが低く勇逸使える魔法も全てのMPを消費してしまいます、、今のわたしではこちらの世界の魔王軍とは戦えません。」

「そうでございますね、せめて呪いさえ解ければ...」

「あの、、気になっていたんですが、この世界には魔族と戦えるような人達はいないんですか?この世界にも魔法はあるでしょうし。。」

「えぇ。勇者様が仰ることも分かります。実は、魔王や魔族が現れたのがほんの2〜3年前の事なのです。」

リンスのお父さんの話では、この世界ガレリアにはもともと魔王や魔族はいなかった。しかしなぜか2〜3年前急に現れて人々を襲うようになった。もともと魔王や魔族がいない世界で魔法を極める必要も無かったためこの世界の人々は生活に必要最低限の魔法しか使えないのだという。この世界の人々もスキルをもっていたがスキルだけではどうしようも無かったのだと。

スキルや魔法があるという点ではクロネがもともといた世界ガイアと共通している。しかし魔王、魔族がいなかった。その点で差ができた。強く、戦える冒険者がいないという差だ。

「わたくしとしましても、勇者様にこの世界を救っていただく事、強要はできません。勇者様の呪いとやらに関しては解くことができるかもしれませんが、これも絶対に解けるというわけではありません。ですので勇者様さまが帰りたいと仰るのであれば元の世界に帰る方法をお探しいたします。」

「呪いを解く方法にあてがあるんですか?」

「この国を出て東へ向かったところにスイパという国があります。スイパには優秀な研究者がいてスキルや魔法の研究に力を入れているのです。その国にいるガルという男ならばもしかすると呪いを解く方法を見つけられるかもしれません。」

「その人なら呪いを解けるかもしれないんですね?!」

「はい。この世界ガレリアでもっともスキルや魔法に精通していると思われる者です。」

「ならわたしがその人に会いに行きます!」

希望がみえたクロネ。しかし、リンスの父リンスティンガは浮かない表情をしていた。

「なにか問題でもあるんですか?」

「ええ、実はスイパに関して気になる噂を耳にしまして。。」

「それはどんな噂なんですか?」

「スイパではこのところ行方不明者が多くでているというのです。それも子供ばかりが。勇者様も、その、若くお見えになられるので心配なのです。」

たしかにクロネは15歳とはいえ発育もあまり進んでおらず身長も低いため子供に見えてしまう。

クロネ自身としても自分の幼さについては自覚しているつもりだったが改めて言われるとショックだった。

しかし本当に心配してくれているという気持ちも伝わっておりなんとも言えないクロネだった。

「あはは、、心配してくださってありがとうございます。。うん。とりあえず、そのガルさんって人に会いにスイパに行きます!わたし。」

「私もクロネ様にお供いたしますわ!」

リンスもついてきてくれるらしい。

「そうですか、でしたら2日ほどこの城でお休みになられてから向かわれるといいでしょう。ぜひこの国の城下も観光なさってください。リンス、勇者さまに案内してあげなさい。」

「はい!お父様」

リンスに案内されクロネは城の客室で休むことになった。

「それではクロネ様ごゆっくりお休みください」

「うん。ありがと!」

リンスが自室へ戻った後、クロネはお風呂で今日一日の事を振り返っていた。

(今日だけでたくさんのことがあったなぁ。。今頃クロネコのみんなはどうしてるんだろ。わたしのこと心配してくれてるかなぁ。みんなに、会いたいな。)

「ふぅっ」

お風呂から上がったクロネはベッドに飛び込んだ。

とてもふかふかだ。

「明日はリンスと一緒に城下をみにいこう。きっと気持ちも晴れるよね。」

クロネはすべて考えるのをやめ眠りについた。


翌朝ドタバタという騒々しい音で目が覚めた。

するとドアが勢いよく開いた。

「クロネ様!魔物が!ま、ま、まも、魔物が!」

リンスが慌てた様子でクロネの所にとびこんできた。

ただごとではないと察したクロネ。

「どうしたの!?リンス!落ち着いて一つづつ教えて。」

一呼吸おいてリンスが話し出した。

「魔物がこの国に攻めてきたのです!その数およそ100体!現在、国の門前で踏ん張ってはいますが軍では歯が立たず、このままでは城下への侵入を許してしまいます!そうなってしまうと国民の命が。。いったいどうしたら!...」

「100体...かぁ」

前の世界ガレリアでのクロネならばこの数の魔物でも容易に倒すことができただろう。しかしこの世界のクロネは弱い。

「ん。わかった。わたしもすぐいく!」

クロネは寝巻き姿のまま部屋を飛び出した。目指すは敵を見渡せる位置、城の上階だ。ガイアでたくさんの実戦を繰り返してきたクロネだからこそ大人数相手にまずは戦況を見定めるという行動に移らせた。

上階に到着したクロネは、ランダム召喚を発動した。

「ランダム召喚!」

白い光の中から現れたのは、、

「やぁクロネ、元気だったかい?とても心配してたよ。」

「メル‼︎」

メルと呼ばれたその女。茶色の髪をポニーテールにし、すらりとした肢体。出るところは出ている。

男の思う理想の女性と言ってもいいほどのプロポーションを持った女であった。

「久しぶりメル!ほんとに急なんだけど、今この国が魔物に襲われてて、力を貸して!」

「あぁ、もちろん。団長殿から話は聞いているよ。クロネの力になるようにってね、とりあえずあそこに見える魔物の軍勢を倒したらいいのかな?」

「そうなの!お願い!」

おじさんが話をしてくれているおかげでとても話がはやくて助かった

その時ようやくリンスが上階に上がってきた。

「ク、クロネさまぁ、はぁはぁはやいです。。」

とても疲れているみたいだ。

「クロネ様そちらのお方はどちら様でしょうか?」

「わたしの仲間の1人のメルっていうの!ランダム召喚で、きてくれたんだよ。」

「おやおや、こちらが団長殿が仰っていたお姫様かな。?はじめまして。メル・メイールと申します、どうぞメルとお呼びください。」

「こちらこそ、はじめまして。リンスと申します。」

ペコペコと頭を下げるリンス

「自己紹介も済んだところで早速魔物退治といこうか。ちょっとだけ待っててね。」

メルの手に光り輝く弓が現れた。

「弓矢...ですか?。。あの、ここから魔物のいるところまでは距離が相当離れておりますが、、その。。」

リンスが心配そうに口を開いた。

「大丈夫だよリンス、みてて。メルはすごいんだから!」

「スキル発動。千里の眼」

メルの茶色の目が紅く染まる

『スキル 千里の眼』

どんなに遠い場所でもはっきりと見ることができるスキル。代々メル家の血が流れている者が持つスキル。

メル家とは、クロネの元の世界ガイアで先祖代々弓を愛し弓術にすべてをささげ極めてきた名家である。そしてメル・メイールこそが女性ながらに現代メル家当主を務める者であった。

「メテオドゥーシェ」

メルが放った魔法の矢は空高くに飛んでいった。

そして空高くで弾ける。すると空から無数の矢が降ってきた。それは美しさを感じる光景であった。

「ぁあ!!」

リンスが声をあげる

「メル様!このままではあの矢が軍の人達にもあたってしまいます!!ど、どうすれば。。」

「リンス大丈夫。メルを信じて、メルの矢は絶対に外れない。軍の人達にもあたらないよ。ね?メル。」

くすっ

メルが笑みをこぼした。

「それはどうだろうね。?」

「「ええ!?」」

リンスとクロネは声を合わせて驚いた。

そして落ちてくる矢が次々と魔物達を貫いていく、少し遠いが軍の人達にはあたっていないようにみえた。

「ふふっ。冗談だよ。心配しないで。軍の人達には傷一つつけていないよ。」

笑みを浮かべるメルにクロネは言った

「ちょっと!メルびっくりしたじゃん!リンスなんてわたしよりびっくりしちゃってるよ!」

「ごめんごめん。クロネの可愛い顔が久しぶりにみたくてつい。ね?」

そういえば、クロネは小さい頃からメルによくからかわれていた事を思い出した。

からかっている時のメルはとてもいい顔をする。

「す、すごいです。。」

リンスはとても驚いた様子だった。

それはそうだ。軍と魔物、一切の狂いなく魔物だけを貫いたのだから。

「メルありがとう!助かったよ。」

「どういたしまして、クロネ。クロネが喜んでくれて私も嬉しいよ。」

「クロネ様、メル様、わたくし負傷した兵士の具合を見てきますね、もうすぐ城に戻ってくるでしょうから、」

「わかったよリンス、わたしも手伝いに行こうか?」

「クロネ様はメル様と久しぶりにお会いできたことですし、どうぞお二人の時間をお過ごしください!積もる話もあるでしょうし。」

リンスが空気をよんだ。クロネはびっくりだった。

「姫さまもこう言ってるし、久しぶりに少し話そうかクロネ。」

メルを召喚してすぐに魔物を全滅させた為時間は残り50分ほど残っていた。

「そうだね、メル。わたし、昨日クロネコのみんなのこと考えてたんだ。みんな、何してるのかなって。メルが心配してたって言ってくれてすごく嬉しかった。」

「それは心配もするさ。私はクロネの事を家族のように思っているからね。もちろん私だけじゃない。他のクロネコのみんなもクロネの事、心配しているよ。特にアイツとかね。ほらクロネのお兄ちゃん。」

メルはとてもいい顔をしていた。

「お兄ちゃんって、、、わたしは一人っ子だよ!あの変態が勝手にわたしのお兄ちゃんを名乗ってるだけ!またからかってるでしょ!」

メルがいうアイツとはクロネコのメンバー、『キルヤ』のことであった。

キルヤは自称クロネのお兄ちゃんであり、ガイアにいた頃はずっとクロネの後をつけクロネを見守っているほどの変態であった。

「キルヤは変態だから私嫌い!」

「おやおや、そういえば昔、アイツの事を『キル兄ちゃん』って呼んで慕ってる可愛い女の子がいたなぁ。クロネって子なんだけれどね」

またまたメルはいい顔をしている。

「昔の事だよ!今は全然キルヤのことなんてどうも思ってないもん!」

「ほおほお。なるほどね。もしかしてこれが俗に言う反抗期、というやつなのかな?アイツも案外いいやつだけどね。クロネもお年頃だし仕方ないね。」

メルはとても満足気な顔だ。

「なっ、、、だって、だって『変態』だもん!」

クロネはからかわれ耳まで赤くして言葉を絞り出した。

「それはそうだね。私もあの変態度は度が過ぎてて見るに耐えないな。」

「でしょ!?」

2人は笑ったり、からかったりからかわれたり、久しぶりの会話を楽しんでいた。その時間はあっという間に過ぎるのだった。

「もうすぐ時間がきてしまいそうだね。また会える事を願っているよ。クロネ。君ならきっと大丈夫。」

「うん。、、ありがとね、ほんとに。助かったし、久しぶりに話せてとても楽しかった!。」

「そういえば、クロネ。さっきの話なんだけれど、君がこの国の王様から聞いたという話。この世界には魔王や魔物はいなかったと言っていたね?思ったのだけれど、この世界の人達はなぜ、魔王や魔物が存在すらしていなかった世界で生きてきたにもかかわらず、魔王や魔物という呼び方もそうだけれど、これらの存在を知っていたのだろうね?もしかしたら君に内緒にしている事がまだあるのかも知れないよ。この世界の人達には。あの姫様もそうだけれど。人の話を信じるのは君自身だ。だからその人の事を本当に信じられるのかどうか、それをしっかり見定める力を身につけなね?もしかしたら君の周りの人達は悪人かも知れないしね。」

こう言って、メルは光の粒となり消えた。ガイアへ帰ったのだ。最後の話をしている時、メルはとてもいい顔をしていた。

「また、からかってたのかな、、、?」

メルの最後の話には確かにそうだ、と思う所はあったがリンスやリンスのお父さんの事を悪人とは思えないし、また機会があればリンスに聞いてみようかなと思うクロネだった。


ようやく2話更新できました。今回はクロネコのメンバー2人目を出せたのでちょっと嬉しいです。次回はオウガ、メルに続いて3人目のクロネコのメンバーを出したいと思います。更新については自分でもいつになるか分からないので待っていてくれたら嬉しいです。

読んでくれる人がいるととても嬉しいです。またまた感想等お待ちしてます。

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