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妖怪学校に交じった一般人の幼馴染 国立瑞穂学園物語

作者: みやび

国立瑞穂学園 都内にあるただの国立高校……ではない。

世にいる妖怪や、その妖怪の血を引くモノ達のために国が設立した教育機関である。

当然生徒は、妖怪もしくは妖怪の血を引く……


「はずなのにあんたは何でここにいるのよ!?」

「もぐもぐ、ん、おにぎりあげないよ?」


まだ2限目が終わったばかりなのに弁当を食っているこいつは、只野京子。妖怪の血を引いていなければ、陰陽師とかそういう家系でもない、正真正銘ただ一般人である。

訂正、ただの一般人ではない、頭のおかしい一般人である。現に今日も、コスプレの巫女服を着ている。ちゃんとした巫女服ではない。ぺらっぺらの安物だ。2限の体育が終わったらなぜか巫女服になっていた。朝は普通の服装だったのに……解せぬ。


「ねえ真壁ちゃん」

「なに、ポカリならあげないわよ」

「そうじゃなくて、寒い」

「そんな格好してたら当たり前でしょ!!!」


この真冬の時期にその恰好で寒くないわけないのがどうしてわからないのか、分からない。

というか下着透けてるよね!!! なんでそんな格好したの!?

ひとまず私の着てきたコートを着せる。ほら男子!! 見るんじゃないよ!! そういうことしてるからお前らモテないんだよ!!


京子は私のコートの匂いを嗅ぎながら、「真壁ちゃんの獣臭いにおいがするぅ♡」と失礼なことを言っている。

私は朝と夜と2回もお風呂に入っているのだ、ぬりかべ族犬科妖怪とはいえ、獣臭くないはずだ。至急撤回を求めるためほっぺを引っ張る。びろーんとのびた。


「いふぁい……」

「うるさい京子!! というか先生!! この子本当にただの一般人ですよ!! なんでこの高校には入れたんですか!!!」

「いやだって、うちの高校別に入学資格あるわけじゃないし…… 本当は妖怪の血が流れてる人だけしか存在を明かされないんだけどさー」


担任の西森先生が緑の髪をいじりながらぼやく。森の乙女的な絶世の美人だが、男運が悪いというのが入学3日目にしてすでにうわさが流れている。


「真壁ちゃんについてきたらなんかは入れました!!!」

「私のせいかー!!!!!」


京子と私は幼馴染だ。親が友人で家も隣だったので、小さい頃はよく一緒に遊んでいた。小学校に入ると学校が違ったので多少疎遠になっていたのだが……

なんか合格発表の掲示板の前に普通にいた。意味が分からなかったが、どうやらこいつは私のストーカーだったらしい。


「ということで塗島。おまえ只野の面倒ちゃんと見ろよ。連れてきちゃったんだから」

「元の場所に返してきます」

「捨てないでー、くーんくーん」


どこからか取り出した獣耳のカチューシャを付けて私にすり寄ってくる京子。くそぅ、無駄にかわいいな。あざといやり方しやがって。

そんな無駄話をしていると、中休みが終わりチャイムが鳴った。京子はいつの間にかおにぎりを完食していた。


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