死にたくなる
死にたくなる。
空が青くて、死にたくなる。
朝から雨で、死にたくなる。
「死にたくなる」が、
空から降って来る──
赤信号が待ちきれなくて、死にたくなる。
夏が近くて、死にたくなる。
歩きスマホをしていると、
死にたくなる。
テレビのバラエティを観ても、
死にたくなる。
小説なんて読んだら、
一行目から、
「死にたくなる」と、書いてある──
死にたくなる。
こんな詩を綴っていることが、
もうすでに──
感情とは無関係に、
この顔が笑う時、
他人を遠ざけるクセに、
実際はうまく誰かに頼って生きていると、
気付く時、
本当に、
死にたくなる。
死にたくなる、死にたくなる……。
そんなくだらない言葉を、
淀んだ脳内で吐き出している。
吐き出すだけで、一日が終わり、
今日もまた死に損なって──
眠りに就く。
「おやすみなさい」