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怪力悪役令嬢は冒険者になりたい!  作者: タハノア
邪竜物語に首を突っ込む編

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089-魔法が使いたい!

 邪竜だろうがなんだろうがぶっ飛ばしてやりますわよ!と気合を入れ直し改めてスキル構成について考えてみた。


 スキルはLv65制限なので多くは習得できない、現状はどうだろうとステータスを見る。


 私は文字化けしていたところを予想つけてみた。


 □□□、□□▫□□、魔道具技師Lv4、剣術Lv0.1


 これはきっと


 流魔血Lv10、清潔の祝福Lv10、魔道具技師Lv4、剣術Lv0.1


 こういうことでしょうかね?


 そうなると[魔道具技師]は10まで上げるとして残りは35ね……。


 ここに来た目的の[拳法]は外せないから残り25。


 魔道具用資材の金属と魔石が取れる[採掘師]も10ほしい残り15。


 後は戦闘補助系の[筋力増強]か[回避術]がほしいところね……。でも、儲けが出しやすい採取師も捨てがたい。


「ちょっとマルレ聞いてるの?」


 アリッサに肩を揺さぶられて妄想の世界から引き戻された。


「ごめんなさいスキル構成を考えていて聞いてませんでしたわ」

「もう……じゃあもう一回聞くけど……魔法使えるようになるんじゃない?」


 私の中にものすごい衝撃が走った!


 そうよ!戦闘補助とか考えてる場合じゃなかったわ!物理戦闘キャラだからって魔法スキルは端から除外してましたわ!最高効率を求める悪い癖が出てたわ!楽しまなきゃ!


「そうよ!魔法!魔法が使えるわ!魔法が使いたい!」

「良かったねマルレ!」

「気が付かせてくれてありがとうアリッサ!」

 

 私はすぐに浴衣寝間着からカンフー服に着替えて、のろのろと白ローブに着替えているアリッサを急かす。準備が終わり次第慌ててガオゴウ家の屋敷から飛び出し街へと向かった。


 初めて来たが見慣れた場所をアリッサの手を引き急ぐ。お隣と薄い壁一枚だけで仕切られた長屋が立ち並ぶ居住区を抜け大通りに出た。大通りは商業区で居住区と違い建物が一つ一つ独立していて屋根にはしっかり瓦が乗っている。大通りの中ほどに目的の店はある。Lv1の[技書]が売られている初心者用の店へと向かった。


 のれんをくぐり店の中に入ると作務衣をきて頭に手ぬぐいを巻いた店員らしき青年がいた。


「いらっしゃいませ!何をお探しでしょうか?」


 私は興奮して勢いのまま「魔法!とにかく魔法系の[技書]をちょうだい!」と食い気味に返事をした。


 しかし私の興奮は長く続かなかった。


「はい魔法系ですね分かりました。ではまずは[適正判定]からしましょう」


 適正……判定……? 私の中の嫌な思い出が蘇る。


 『どちらにしろこれじゃ魔法は使えませんね』


 魔法学園2年生のときに私の意識を刈り取った言葉だ。


 放心状態の私は店員さんに言われるがまま床に書かれた五芒星の真ん中に立った。


「”適正判定”」店員さんの声と同時に私の前に半透明の板が出現した。それはゲームでは見たことのないものだった。


ーーーーーーーーーー

適正判定


物理攻撃系:剣術、格闘

遠距離魔法系:なし

近距離魔法系:無属性拳法

特殊魔法系:増強

生産系:魔道具技師、鍛冶師

素材収集系:採掘師、伐採師、採取師

戦闘補助系:筋力増加

その他:自然治癒、投石


スキル限界値:Lv60

現在使用値:LV4.1


ーーーーーーーーーー

 

「なにこれ?」

「お客さん外国人だろ?知らないようなら説明しますよ?」

「……お願いしますわ」


 店員さんの説明によると適正のないテクニックは覚えられなくてスキルを得ることはできないらしい。全部のテクニックを覚えられて限界値も65じゃないのかとゲーム知識で聞いてみた。


「ああーそれは超越者のことですね全てのスキルに才能があり限界値が高い人のことです。最近現れたのは[エード出島]に流れついた5人でだけですね」


 あ!思い出したジャオンの主人公はNPCから超越者って呼ばれてたわね……。プレイヤー全員そうだったから忘れてましたわ。判定する必要なんて無かったからゲームでは出てこなかったのね。


「がっかりすることないですよ何も適正がない人や限界値が10以下の人だっているんですから、それにスキルがなくたって生産や物理戦闘ならテクニックを使わなくても自力でできますからね」

「そ……そうなのね……良いほうなのね、ははは……」


 魔法が使えないと言われたのは二度目だ……。また気絶しそう……きっとこの弱さが精神力Fってことなのね……ははは……。


「とりあえず、適正があったスキルの[技書]を用意してあるのであちらの席で全て読んで下さいね」


 店員さんが示した方向に行くと着物姿の女性に巻物が積み上げられた席へと案内された。


「[技書]を手に取り”習得”と唱えるとテクニックが習得できます全て終わりましたら声をかけて下さい」


 私は腰を下ろすと一息ついて、とりあえず一番上に置いてあった剣術の[技書]を手に取り”習得”と唱えた。


 その瞬間、頭の中に[溜め切り]の動きや手足を動かすタイミングが染み込むように知識として蓄積された。


 イメージトレーニングだけを完璧におこない実践使用は一度もしていないようなそんな妙な感じがする。


 奇妙な感覚を覚えつつもどんどんと習得していく。


 格闘[正拳突き] 無属性拳法[脚壁] 増強魔法[心眼] 魔道具技師[魔道具作成] 鍛冶師[精錬] 採掘師[採掘] 伐採師[伐採] 採取師[採取] 筋力増加[筋力増加Lv1] 自然治癒[休憩] 投石[投石]


最後の[技書]を習得すると女性の店員さんが声をかけてきた。


「全て習得したようですね、戦闘系の[技書]は軍部からの補助で無料ですが、その他は提供してくれた各ギルドでその分の仕事を引き受けて下さい。行き先のギルドは任務へと追加しておきます。仕事を断る場合はこの場で代金を払ってください」


 提供?と疑問に思い店員さんに詳しい話を聞いてみた。才能がある人をのがさないために初級テクニックは各ギルドから提供されている。適正があった人はその提供先のギルドに行き仕事を一つこなすか、代金を払わなくてはいけないらしい。


 私は無一文どころかアリッサに借金があったのを思い出した……。


 仕事をすることが決定しましたわ……。”任務”と唱え目の前に現れた半透明の板を眺める。


ーーーーーーーーーー


魔法ギルドへ行こう NEW!

生産ギルドへ行こう NEW!


ーーーーーーーーーー


 どうやら2箇所行かないといけないようね。


 ふとアリッサの方を見るとアリッサも[技書]を手に持ち習得していた。数はあまり多くないみたいだった。


「アリッサ結果はどうでした?」

「65って聞いてたからちょっとがっかりかな~限界値は40で適正があったのは、光魔法、奇跡魔法、召喚魔法、魔力調和それと木工師だったわ」

「あら……私って本当に良い方だったのですね」

「そうみたいよ40でも平均以上らしいよ」

「そうなんだ、それでなにを鍛えるか決めました?」

「決めるってほど多くないね~木工師は必要ないから他のを鍛えるわ!木工師スキルあったら大工のお父さんは「跡を継いでくれるのか!」って泣いて喜ぶと思うけど私は遠慮するわ」


 ハハハと笑うアリッサ、奇跡魔法と召喚魔法か~いいな~!すごく魔法っぽいことできて羨ましい!


 召喚魔法はスキルに応じて強い精霊を呼び出して使役できる。奇跡魔法は暗いところで目が見える[夜目]や飲食物を生み出す[魔力食料][魔力飲料]魔法。そして一番いいのが[転移]と[記録]ですね!記録した場所へ瞬時に移動きるてっても便利な魔法!私も欲しかった!でも奇跡魔法には複数人数用の[転移門]もあるのよねアリッサにはぜひ覚えてもらいたいわ!


「さてこれからギルドに行くから別行動ね。仕事を終わらせたらガオゴウ家で合流しましょうね」

「え?私はもう代金払ったから仕事はないよ~面白そうだからマルレについていくよ」

「あ……そうですか……」


 ギルドへと向かう私の後ろを楽しそうにしながらアリッサがついてくる。私はまず生産ギルドに向かうことにした。



 体が海外製なので全てのスキルは使えませんでした。


 無一文で店に行くマルレ……全部つけで買い物してた貴族生活が抜け切っていません。


 クロービ人のスキル限界値平均は25で適応スキルは3個です。


 次回は生産ギルドと採取系テクニックについての予定です。

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