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怪力悪役令嬢は冒険者になりたい!  作者: タハノア
勇者物語に首を突っ込む編

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047-戦利品!

 「もういやあぁああああああ!また剣が折れたああああ!」なんで一戦目で折れるの!何?私がいけないの?遠征なんてしないでおとなしくロックウルフ狩っていればよかったの?


 涙がにじむ……


 ぐぐっとこらえ[剣は折れても心は折れない!!]と強く思い直す。


 流石に立ち直るのも早くなってきましたわ…‥嘆いていても仕方がない。牛男の首から剣先を取り出し清潔の祝福で血を掃除して鞘に戻す。また歩くたびに鞘の中でガチャガチャ音がする……。


 なんか強いやつを倒したけど全く爽快感がありませんわ……。売れるのかわからないけど次元リュックに斧と牛男の死体を収納する。

 さてと気を取り直して辺りを探ってみましょうか!ずっと同じ方に背をむけてなにか守ってるようでしたので、きっとなにか良い物があるに違いないわ!


 それは開けた森の中央にあった。


 大きな石に突き刺さった一本の立派な剣!


 むむ!これはお金が足りなくて買えなかったクレイモアみたいな剣ですわ!


 剣身は薄いグレーで鍔の中心には光を失った青い宝石が埋め込まれ、周りには美しい金細工が施されている。


 やった!いいもの見つけたわ!折れた剣の代わりにこの剣をもらって帰りましょう!


 岩に刺さった剣を握り引き抜こうとするが動かない!


「なにこれ硬いわね」


 今度は岩に足をかけ思い切り引っ張る!


「んぎぎぎいいいいいい!絶対これもらって帰りますわ!」


 思い切り引っ張るがびくともしない!そう来るならこちらにも考えがありますわ!


「エンド・オブ・ブラッド!」


 流魔血を全開にし血管を巡る魔力を増大させる。魔力により血管から追い出された血はゆらゆらと赤い煙になって霧散する。


「うにゅうううううううううううううううう!」


 剣が折れるか引き抜けるか!超越した力が剣に襲いかかる!


 剣は折れることを避けるためについに岩から引抜かれた。


「やりましたわ!綺麗なクレイモアゲット!」


 空に掲げたグレーの剣は何処か物悲しそうだった。


 おお!この剣はいいですわ!ずっしりとした重さが感じられる。今まで使ってきた剣はまるでダンボールで出来ているような重さの感覚だったのでこの重量感はたまりません。


 剣を一振りしてみると止めるときに剣の重さを感じる。今までは抵抗なく止められていたので剣を振っているという感じがすごいです。


「いいわ!すごくいい!」


 ちょっとした剣術の型をして振り心地を試すと問題なく使えるようだ。いいものを手に入れたわ~今度は折らないように大切に使いましょう!


 他には何もなさそうですね、帰りましょうか……さて帰る方角はどっちかな?ギルドカードを出し地図を表示する。


[森の迷宮]


 文字だけが表示されている……迷宮?ここって迷宮なの?それに地図がでないし方向もわからない……。どっちから来たっけ?全く覚えてません……こうなれば適当に行くまでよ!助走を長く取り思い切り飛ぶ!


「ちょっと待ってください!」


 ん?今なにか聞こえたような気がしたけど気のせいかしら?こんな森の奥に人がいるわけもないですよね?それにもう森が開けていた場所からはだいぶ遠く戻るのも面倒なのでこのまま行きましょう。ギルドカードで地図を確認しながら森の迷宮を抜けるまで[飛んでいく]を2回ほどやるとやっと地図が表示された。


「どうやら全く逆方向だったみたいね」


 地図をグリグリ動かして周りを確認してみると王都に戻るより近い場所に建物が集まっているのが確認できた。戻るのもたいへんなのでとりあえずそちらに向かうことにした。急に飛び込んだら怖がられるかもしれないから少し遠くから歩いたほうが良さそうね。


 幸い道が発見できたのでその道をたどって街にたどり着いた。街を守る壁は丸太を地面に突き刺すようにして作られている。王都に比べたら頼りないが、王族が全力で作った城壁と比べるほうが間違っているわね。


 剣をむきだしで持っているのは不味いと思い綺麗なクレイモアをリュックに入れておく。そのまま歩いて街に入ろうとしたところで入口に立っている衛兵に止められた。


「商人の方は入領税があるので身分証確認しています。ご協力ください」

「私は冒険者です」


 驚く衛兵さんを見て数週間前まで王都のみなさんも同じ反応でしたわと思い出しながらギルドカードを提示する。


「冒険者の方でしたか、お目当ては森の迷宮ですか?」


 うーんやはりさっきの場所はダンジョンでしたのね……。仕掛けを飛び越えてボスに直行してしまったのかしら?とりあえずダンジョン目当てだということにしておきましょう。


「はい、少しの間お世話になろうと思っております」

「やはりそうでしたか、ようこそビートムへ」


 この町はビートムというのですね。街を散策しながらこれからどうしようかと考えた。昼もとっくに過ぎてるのでとりあえず食事でもしようかしら……財布を見る……お金が5ラドしかはいっていない……。


 しまった!王都では宿代も先払いしてあるしギルドの酒場にもお金を預けてたから平気だろうと限界まで買い物してしまったのを忘れていましたわ……。


 どうしましょ?牛男を換金?でもなんだか面倒なことになりそうね……。


 5ラドの串焼き一本で物足りない昼食を済ませると、通行人をつかまえてギルドの場所を聞きポーターの仕事を選び荷馬車への荷積みと荷降ろしをして70ラドを稼ぎ終わると、日が暮れていたので今日はこの町に泊まることにした。



剣も手に入れたし明日は何をしようかな~

明日朝食を食べながら考えようかしらね~

次回「隠蔽工作」お楽しみに!

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