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怪力悪役令嬢は冒険者になりたい!  作者: タハノア
邪竜物語に首を突っ込む編
103/158

103-奥義習得

ブックマークが250件越えました!ありがとうございます!

 おはようございます!


 畳床と敷布団にもすっかり馴染みました。ベッドのように落ちる心配もないので意外と私に合ってるかもしれないです。相変わらず寝間着浴衣の帯は胸の下まで上がっていますけどね。


 生卵いけますよアピールのかいもあり、ついに朝食の卵焼きが生卵になりました!TKGを堪能しつつ本日の予定を考える。


 「えーっと……今日はギルドへ行き奥義取得の試験ね」

 「マルレも試験か~頑張ってね、といっても奇跡魔法の試験はすごい簡単だったけどね……」


 奥義試験は各都市の転移門前とギルド前の記録板を提出するだけの簡単なものだったようです。なんだか拍子抜けしたようですが召喚魔法の試験は確か()()でしたのできっとアリッサも満足するでしょう……ふふふ。


 朝食を食べ終わって生産ギルドへ行こうとするとアリッサに呼び止められた。


「私が生産ギルドまで送ってあげる!」


 歩いて数分の距離なので断ろうかと思いましたが、ウキウキしてるところに水を指すのも悪いので送ってもらうことにした。門が結構大きいというので、ガオゴウ家の玄関前まで移動した。


「[転移門]!」


 アリッサが呪文を唱えると、地面からせり上がるようにして転移門が生えてきた。それは、都市間の固定の豪華な転移門とは違いシンプルな朱色の鳥居だった。私は鳥居を見上げながら、確かに室内で出せない大きさだと思った。


「はい!マルレ行ってらっしゃい!」

「ありがとうアリッサ行ってきますね!」


 鳥居をくぐるとそこは”魔法ギルド”の前でした……。


「まさかゲームのあるあるネタを実体験するとは思いませんでしたわ……」


 私はまだ残っている転移門をくぐり直し元いた場所へともどった。


 すぐに戻ってきた私に「あれどうしたの?」と不思議に思っているアリッサ。私が「魔法ギルドだったわ」と言うと焦りながら記録板の束を取り出しカードを切るように一枚一枚確認する。そして「これだった!」と言ってもう一度転移門を出してもらい無事に生産ギルドに到着しました。


 門番さんとも顔なじみになったので軽く挨拶をする。そして、いつもギルドマスターのチビひげ爺が居る作業場へと向かった。


「奥義試験!?おいおい早えな~超越者並みじゃねーか!」


 チビひげ爺に奥義試験を受けたいと行ったら早いと言われました。どうやら成長スピードも個人差があるようですね。適正スキルは少なかったけど、成長はプレイヤーである超越者並みだったようです。


「えっと採掘師に魔道具技師と鍛冶師か……。採掘師はとりあえず今持ってる一番貴重な金属を見せてくれ」

「貴重ですか?ではこれですね……。少々使ってしまって1つしかありませんが……」


 私はそう言って"インベントリ”からヒヒイロカネのインゴットを1つ取り出して作業台の上に置いた。


「ヒヒイロカネ……確かに確認した。もう言うことはない免許皆伝だな」


 そう言ってチビひげ爺は[奥義書]を投げてよこした。扱いが雑!使い手が増えれば増えるほどよい採取系だからって仮にも奥義でしょ!もっと丁寧に扱ってほしいわ!


 [奥義]:採掘倍化

 掘り出せる資源の数が倍になる。一振りで倍取れるのではなく2回採掘できるようになる採掘師の奥義。


「ありがとうございます!これで資源集めがますますはかどりますわ!」

「よかったな!後は魔道具技師と鍛冶師か……ん?ヒヒイロカネを使ったと言ってたが何を作った?」


 そうでしたわアリッサへの贈り物として作った指輪ですけどこれを見せれば魔道具技師の試験は通れそうですわね。


「これですわ」


 私は日の出のオレンジが終わり少し黄色くなっている[陽光の指輪(高品質)]を見せた。


「おお!天照様の恩恵を受けた立派な魔道具じゃ……はて?これは……貴重なヒヒイロカネを2個も使ったのだな……うむ!こちらも文句はない!免許皆伝じゃ!」

「ありがとうございます」

「では鍛冶製品も見てみようかな?」


 奥義書はまだ渡されず、ついでに鍛冶師の試験もやってしまうようだ。


「Lv10になってまだなにも作っていないのですがどういった物がよろしいでしょうか?」

「ふむ……Lv10になっても新しいものが作れるわけではない修行で作ったものを出してみなさい」

「でしたらついでに買取査定もしてもらえませんか?」


 私はそう言って”次元リュック”から次々と鉄製と鋼鉄製の剣、槍、槌、薙刀を作業台へと並べていく。


「その鞄は何じゃ?」

「闇属性の魔石を使った次元リックですわ。私の国ではどこにでも売っている一般的なものですよ」

「ふむそろそろ外へ目を向けるべきか」


話を戻し武器の査定を頼んだ。


「うむ!どれも良い出来だな買い取りの方は問題ないが、売ってくれなくて構わんから良い素材でなにか一振り作ってみてはどうだ?」

「そうですわね……」


 私は少し考える……そうだ!この拳法着のお礼にサキさんに武器を作って贈ることにしましょう!たしかサキさんは、薙刀を使っていたわよね……。


 私は鍛冶師の[鍛冶]テクニックを使って半透明の板を出現させて材料を二倍つかう[性能重視制作]にチェックを入れる。そして作成可能品一覧から一つの武器を選び[作成]ボタンを押した。インベントリからオリハルコンを14個使いサキさんに送るための武器が完成する。


ーーーーーーーーーー

オリハルコン青龍偃月刀(高品質)


今は無き円状の島の民が愛用していた金属で作られた青龍偃月刀。長い柄の先の湾曲した刃の付いた武器。オリハルコンの刃に彫り込まれた龍の文様は武器を振り回す動きを助け武器の振り速度が上昇する。

(攻撃速度10%上昇)


使用可能スキル 剣術Lv9、槍術Lv9(条件を満たさない場合は攻撃速度半減)


ーーーーーーーーーー


「あら……贈り物にしようと思ったのですが使いこなすのにかなりの技量がいるようですね。どうしましょ……」

「また貴重な素材で性能重視制作したのか、こりゃ見事な出来じゃな。これを誰に贈ろうと思ったのじゃ?」

「私がお世話になっているガオゴウ家のサキさんに贈ろうと思ってましたのですが」

「そうかそうか!それなら心配いらん彼女は剣術と槍術それに武器を両手で扱う[大武(たいぶ)]を極めておるからな」


 え?そんなすごい人に剣術スキル0.1で勝ってしまったの?半分は力技で勝ったと思ってましたが完全なる力技でしたか……。


「そうですか!使いこなせるなら良かったです喜んでいただけますかね?」

「これを喜ばない武術家はいないだろうな!」

「そうですか安心しましたわ」

「さてと……じゃあ奥義書の伝授じゃな!魔道具技師と鍛冶師じゃな」


 採掘のときとは雰囲気が一変して真剣な表情へと変わった。


「実は生産系のスキルはここからが始まりと思ってくれ、今までは先人の残した知識と技術をなぞっただけに過ぎない。これからは自分の手で素材を加工し今までにない製品を作り出していくのが使命だ。そのために他者の技術を取り込み己のものとするこの[奥義]を与える。」


 [奥義]:魔道具解析

 魔導の力を持った道具を解析しその制作方法を解明して作成可能品一覧に追加する。自分で作成した物は必ず成功するが、他者が作ったものは高度な程失敗しやすく解析に失敗すると消滅する。


 [奥義]:鍛冶製品解析

 金属を鍛え上げて作られた道具を解析しその制作方法を解明して作成可能品一覧に追加する。自分で作成した物は必ず成功するが、他者が作ったものは高度な程失敗しやすく解析に失敗すると消滅する。


「私は元々新たな魔道具を生み出すために研究をする魔道具研究科出身です!任せて下さい!」

「ふむ!頼もしい!既存の技術で満足せず新たな物を作り出してくれ!」

「ではまず!いままでの私の成果を追加しますわ!」


 私は早速次元リュックから学生時代に発明した魔力で動くピストンの[ピクツ]を取り出し[魔道具解析]を使用し半透明の板を出現させその中に[ピクツ]を入れ[解析]ボタンを押した。


 <解析に成功しました>


ーーーーーーーーーー


ピクツ(正式名:ピクピク汁筒)

レイクランド王国のマルレリンド・ドレストレイルが開発した魔力を使った新しい動力。魔力が流れると一瞬で伸び魔力がなくなると一瞬で縮む特性がある。


素材:ピクピク汁、鉄、ゴム


ーーーーーーーーーー


 やった!登録できました!これは量産が簡単ですごくいいですね!って正式名が酷いわね……


 この後ちびヒゲ爺にピクツをねだられたので在庫から1つ差し上げて無事奥義習得は終わりました。


 こうして私の魔道具研究はあらたな道を歩み始めたのでした。


ーーーーーーーーーー

新しいテクニック

[奥義]:採掘倍化

[奥義]:魔道具解析

[奥義]:鍛冶製品解析

ーーーーーーーーーー

 生産系スキルは大量生産には向いていますが新開発は全く出来ません。そういう事情からスキル持ちとスキル無しが共存できています。しかしスキル持ちが珠玉の逸品を作れれば失敗を恐れず解析できて、すぐに量産されるので物理的な生産者を目指してほしいと指導しています。


 次回は、武器の改造と贈り物を届ける話しの予定です。

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