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死んで始めた異世界前奏曲  作者: 寒音キリ
狭間の愉快なフレンズ編
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親愛なるもっふ様

『あっ!そろそろ準備完了だよ〜!』


緑と白はほとんど無くなってほぼ全面が磨りガラスのようになっている。



マズイ、マズイぞ...我が野望が叶わぬやもしれぬ。ヒビキにはまだとっておきの企みがあった。



『ボクもうお役御免で暇になるけど世界巡りとか楽しそう!』



マンゴーはぴょんぴょん跳ねながら言った。



「ん?マンゴーは異世界のこと知らないの?」



『作られて気づけばこのボックスで居たからね。5年間。』



「ごっ、5年!?」



1人で5年間待機させるとはご主人様もなかなか残酷な奴のようだ。ただマンゴーはかなりご主人様を慕っているようだから敢えてそこは突っ込まないでおく。



『よし決めたっ!ボクヒビキについて行くよ!』



流れ的にこうなりそうなのは分かっていたが

止めなかった。何故なら先程からその後の禁断のお願いを用意していた。だが叶えるためには本人にに許可が必要だ。

許可なくその野望を成し遂げようとするなどジェントルメンとして如何なものだろうか...



そのための仲間になってもらん交渉には苦労を惜しまないつもりだった。だがそれも今となっては必要ない。何もしてないけどあと1歩で野望が叶う!ホントに何もしてないけど!!!



「よし。いいよ、いっしょに行こう。」



『ほんとぉ!?ヒビキいいの?いいの?じゃ、ヒビキが新ご主人様ってことだ!』



子供のようにはしゃぐマンゴーに微笑みかけながら続けた。



「ただしお願いがある.....」



『何だい...?』



空間はゴクリと互いに唾を飲む音が聞こえてきそうなほどの緊張感に包まれた。



「あっ、あのっ...もっ...もふ...」



『もふ?』



「もふらせてくださいっ!」



思春期の女の子がスーパースターにサインを求めるような上ずった声で勇気を出して切り出してみた。俺はもふもふしたものには目がないんだ。



『んぁ?全然いいよ〜?』



さすがスーパースターの対応。ファンからの強引な要望に顔色ひとつ変えないクールさが素晴らしい。



「・・・・・(感動)」



我の完全勝利。言い出しにくくて冷や汗ダラダラであったが今は感動の余り涙ぽたぽたです。何はともあれ、キュートなもっふのハートをがっちり掴むことが出来た。お手紙さんにも『ミッションcomplete!』と書かれ、報酬の???には『マンゴーが仲間になる』という字が浮かんだ。



あぁ、我慢出来ない我慢出来ない!はやくあのフカフカの背中に顔を埋めたい!今更ではあるがマンゴーはウサギとしてはかなり大きめサイズだ。



「ではさっそく...(ガバッ)!」



予想を越える物がそこにはあった...

フカフカでもふもふの毛は、布団よりも強く温かみを感じることが出来る。



「ん〜これはいいモフだ〜たまらぬ〜けしからん〜」



見事なる骨抜き。



何故か視線を感じるが手紙さんだろう。あの人はヤケに鋭いから、どっかに意思を持っていてもおかしくはない。



あぁ、幸せ。ちょっと眠い...



*****


『ヒビキ〜グッドモーニング!』



目を開けるともふもふラビットフェイスが眼前にあった。



「うわぁ!」



1連のやりとりで疲れていたのか、ウトウトしてしまっていたみたいだ。



『準備に時間がかかってごめんね〜あと数パーセントで完了だったのにそこからのローディングが中々長くて...』



『次こそ準備完了だよ!あとは飛び込むだけ!』



ボックスは全てがうっすらと白いガラスになっていた。外は夜なのだろうか?うっすらと青と黒が混ざった様な光がガラス越しに微かに入っている。あぁ、ここから俺達の冒険が始まるんだ____!



一方、ヒビキの予感はハズレではなかったようで、一同が新たなる旅立ちに胸を踊らせる背後ではマンゴーでも手紙でもヒビキでもない誰かさんが不敵な笑みを浮かべていたいた...


ヒビキはもふもふ収集癖があります。

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