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死んで始めた異世界前奏曲  作者: 寒音キリ
狭間の愉快なフレンズ編
5/45

予想外の易しさ

マンゴーちゃんですが、

(誤)水色のツギハギだらけ

(正)水色のリボンをした

でした。

誤変換×眠気のコンボは

ラスボスですね...


追記、さらにオレンジ色リボンに変更になりました。

相変わらずマンゴーは滑って嫌われたと思ってオロオロしている。が、俺はここで大きく踏み込んでみようと思う。



「ご主人様について教えてくれるか?」



『ご主人様は今はもういない...』



かなり凹んでいるようだ。これが心の掌握へと繋がったのかは定かではない。マンゴー少し黙って考え込んでいる。



にしても、こんな緑と白の世界にずっと居たら頭がおかしくなってしまいそうだとふと辺りを見渡してみた。



おっと、どうやらこの空間も長居させるつもりは無いらしい。



実は白い物質の流れは一方向にそって流れている。自分の背後にある天井の角からゆっくりと対角上にある下隅の角に流れているのだが、そこで緑と白が混ざって溶けて半透明の磨りガラスに変化している。



ほのぼの会話するだけかと思いきやとんだタイムリミット付きのハードミッションだったようだ。既に磨りガラス化の始まった角から伸びた3辺の半分がガラス化しつつあった。急がなくては。



コミュ障にはオタクのトークがなじみやすいのだが、コイツは何を言えばよいのか全く読めない。相手の感情を探ろうと見つめていると意外にも向こうが口を開いた。



『ご主人様がね、「私が監視してるから私について喋り過ぎたら壊しちゃうぞ♡」って言ってたから怖いんだよ...ボクおマヌケさんだからすぐに口がすべるし、何やらかすか分からないし。』



おマヌケさん...もういないご主人様...壊しちゃうぞ♡...



え、待って、コイツホントにおマヌケさんじゃないか?



「ご主人様いないならとっくにその約束切れてるんじゃね?」



ドンピシャ。the図星で明らかに今気付いた顔をして焦りの表情が現れる。



『あっ...え?うん!?そ、そうなのかな...?』



「はぁ...これ難易度イージーじゃないか」



あっさりと目標ライン到達。めでたくマンゴーの凝り固まった思考は解けた。



あとはヒビキのあるお願い交渉の時間になるはずだった。のだが、マンゴーは唐突にケロッとした顔で



『あ、じゃぁご主人様のこと全部...モゴォ!?』



気がつけば俺は反射的にマンゴーの口を押さえてこう呟いていた。



「ネタバレは犯罪だぞ?」



こちらから聞いておいてなんだが、ついつい怖い顔をしてしまった。



オタク精神が許さなかったんだ。『ネタバレ』。新作ゲームで行き詰まって攻略サイトのヒントを見ようとしたらネタバレだったときの興ざめ感は計り知れない。(確かに攻略サイトでネタバレのように筋道書いてあるのがほとんどで、律儀にココで行き詰まったら〇〇がキーワード!後は自分で見てみよう!なんて書いてるサイトがあるなら見てみたいのだが、)



当時スマホ初心者だった俺はショックだった。だから絶対にエンディング後まで攻略サイトを見ないと決めている。異世界に入ってもいないのに意味ありげな人物の全てが分かるなど興ざめにも程があるじゃないか。



しかもいくら監視の目が無くなったからと言って発言で起爆装置が爆発〜!なんてことが有り得なくもない。ここであえて『ご主人様』について語らせるのはマンゴーの安全面を考えると避けるべきだと判断した。



『モッモッ...モゴォ!(分かった分かったごめん!)』



「わかればよろしい。」



我ながら悪役にはぴったりだと思う。ドラマの出演オファーお待ちしております。(ただし異世界での撮影に限る)



すっかり話が逸れてしまったので慌てて直そうとした。が、



『あっ!そう言えば君ちょっとコーディネートで損してる感じだったからちょっとイメチェンさせてみたよ!』



ははーん、さてはコイツ心配事が無くなった瞬間に元気になるタイプか...


『(貴方その発言ブーメラン(貴方自身に)刺さってるわよ。)』



だがその数秒後、マンゴーが取り出した鏡に映った自分を見て驚いた。



「え、誰...?」



眼鏡の代わりにコンタクトでも入れられたのか?ハッキリと綺麗に景色が見えるのに眼鏡を掛けていない。かなり伸びていた髪はサッパリと切られている。髪型と眼鏡の有無だけでこんなに変わるとは驚きだ。



『どうです?お気に召しましたかぁ?』



「あぁ、我ながらいいヤツ(♂)だぜ!」



しーん...



「(ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!しまった!滑った!滑っちゃったよどうしよう!マンゴーと目を合わせたくない絶対合わせられないよ!)」



チラリと顔を覆った指の隙間から覗くと鏡を抱えたマンゴーは



『・・・』



素晴らしい無表情。むしろ清々しく、あっコイツヤバい奴やーんという顔をしている。



「違うんだよ!?ほ、ほらぁ、男前だなーって、うれし〜な〜ってね。あはは!(ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!やだもう気絶したい!)」



アニメやマンガみたく味方に責められただけで白目をむいて気絶出来ないようだ。



【マンゴーは表情が固定され続けてている!】



するとお喋りな手紙さんがさっと飛び出してきた。



「あぁ、優しい、俺をフォローしてくれるのか...」



『拒否、1人で苦しめ。 追伸、ざまぁ(w)。』



「ガァァァ!追い討ちぃぃぃぃ!もう嫌だぁぁぁ!」



立方体の9割が磨りガラスになるまで、

ヒビキの絶叫は続くのであった___

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