3-4地獄ビーチ
やっぱりボス戦以外は書きやすくて好きです。でもボス戦もカッコよくて好きですよ?
『そーいやさっきうーやんが天馬って盛り上がってたけど彼変わった性質があるみたい。』
ほらと魔法袋の口を開けて覗くように促してきたマンゴーに従い、そっと覗いてみると中で馬の石像が浮遊している。
「えーっとこれは...?」
雅が確認のようにマンゴーに聞いた。
『あの悪魔ただのオブジェ扱いしてたんじゃない?』
「oh...」
高貴な俺様とか言ってた悪魔、どうやらうーやんをずーっと箱に保管していたみたいだ。もしかしたら次袋から出せばうーやんは勝手に石化を解くかもしれない。
テントから出るとギラギラと輝く日光と恐ろしい程に熱された空気が襲ってきた。
「お客様困ります!私はヒキオタでございます!ああっ!困ります!ああお客様っ!」
少し大げさに演技してみたが実際結構な温度だ。マズい...早く引っ込まなくては...
「!?」
急に視界がぼやけて思うように動けなくなってしまった___
~1分後~
「何やってんのよ...」
一歩下がって2枚扉の1枚目の小窓から見ていた、
ヒビキが急に一人劇を出入口で始めたのに次はピタリとうごかなくなってしまった。腹を立てた雅は少し強引にテントから出た。
「暑っつ!」
とりあえず横で若干しんなりなりつつあるヒビキは、余りの眩しさに立ちくらみを起こしていたのでテントに押し戻し、雅自身もマッハでテントへ駆け込んだ。
「レタちゃんここってこんなに暑いの!?」
『えぇとヒビキの時間似たいするしんなり具合、発汗量、体温変化etc...約45℃...』
「よ、よんじゅうご...」
雅は普段の単位と違うのかキョトンとしているが、すかさずレタが異世界の単位に変換した瞬間に目を見開いて絶句した。
「ひ、ヒートアイランド現象超え...」
横文字嫌いな俺が知っている数少ない現象名、あとはエルニーニョとラ、ラニャンニャー...?それくらいで十分だろう。
ここはビーチに見える砂漠だったのだろうか?水があるのは海ではなく湖やオアシス説を考えてみるが、マンゴーが磯の匂いを感知したので海で間違いはなさそうだ。
「こうなったら...」
「雅先生何でしょう...?」
嫌な予感はしていたんだ。もちろんこれは勇者補正で的中する。
「走るしかないわっ!(キリッ)」
「先生...」
彼女曰く俺がプレストをかければとりあえずどこか涼しいところまで一気に走れるだろうという考えらしい。だがこんなに乾燥した砂地を走ることはできるのか?しかもこの前のプレストでしっかりとした足場でもつまづきそうになった自分は足でまといでしかないことが確定している。
~3分後~
「いくわよ!」
「雅ママァ...」
「ママになった覚えはないわ!」
こうなることは分かっていた。うん。なんというか、扱いが雑だなって感じかな。
とりあえずプレストをかけさせられた俺は自身にもプレストをかけようとした瞬間、雅に押さえつけられ、あらかじめマンゴーが持っていた縄をレタが素早く俺に巻き付けた。勇者捕獲されました。
その後はお約束の縄が雅の身体に付けられ、マンゴーは雅の頭にしがみついた。袋は軽いのでレタから伸びた紐に括りつけて吊り下げた。
「ボックスが消えた瞬間からが勝負よ!全力で行くわ!」
え?ホントにやるんですかこれ?
『はい消しま〜す。3〜2〜1〜!』
「(ナンマイダブツ...ナンマイダブツ...南無法蓮華経南無法蓮華経!)」
ここで雅がフライング、2枚扉の間の空間からのスタートだったが見事に扉は突き破られてから消滅した。
『oh...』
一瞬マンゴーの目元が潤んだ気がしたが多分これは自分の恐怖に対する涙だろう。
「マンゴーちゃんごめん!...走りにくいしやっぱり...熱っい!な”に”ごれ”あ”づづづづづ!」
『(雅...声が酷いことになってるわよ)』
うん、凄く速くて予想と違って沈みはしないけど砂ぼこり全部俺にかかってる...
「あっ、何か見えたわ!でもこれはキツい...!」
「ひっ...雅ママァ...ママァァァァァァ!!!」
恐ろしいことに雅のスピードが落ちるに連れてヒビキは足から沈みつつあった___
ヒビキが言っていた現象、ラニーニャ現象です。名前くらいは分かります。でも意味は聞かないでくださいね。なんか外国(確か南アメリカ?)の潮の流れがアレしてアレするんです。ちなみにエルニーニョとは逆の現象です。




