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3-3マッハ到着

『ごにょごにょごにょ...』


何かを話し始めた天馬にすかさずマンゴーが訳に入った。


『ふむふむ、高速移動は得意だって!』


「そ、そう言われましても...」


新メンバー天馬ちゃんは遊園地のパンダの乗り物サイズならともかく、まさかの極小三輪車サイズ。これでは1人乗っただけでもぺしゃんこになってしまいそうだ。


『ごにょごにょごにょ...』


『えーっと、なんか全員一つにまとまってだって。』


これは困った。道具袋に入れるのは現時点でレタだけ。マンゴーは入れるかもしれないが俺と雅は入れない。みの虫のように2人をぐるぐる巻きにしてもいいが、後々どちらにも微妙な空気が漂いそう...


『ボクのボックスをお使いよ!』


マゴソパソマン(マンゴー)の提案によりマゴソパソのボックステントを用意したものの、いささかこれは大きすぎる気がする。


「さ、流石に...ねぇ...ダメでしょう?」


『ごにょ...』


『本人OK出ましたァ!』


「嘘!本当に大丈夫なの!?」


『ごにょっ!ごにょにょ...』


『私のことは親しみを込めてうーやんと呼びなさい!と申されております!』


「あ、うん。うーやんね。よろしくね。そう言えば何か足りない下記皮するん〜...あーっ!」


急に叫んだ雅の声にパーティーメンバーにとどまらず、背後のボスタル村の住人をも驚き飛び上がった。


「つい思わず...ごっ...ごめんなさい...」


俺は少し待つようにとの指示を受け、雅はそさくさと村長宅へと入った。しばらくしてソールと共に何冊かの本を持ち出してくる。


「先代に届けられた謎の異世界の書数冊なんだけども、差し出し人不明というか読めないのよね。」


添えられた手紙にはアルファベットでフードと書かれている。何冊かのどうでも良さそうな現実世界の雑誌に紛れて1冊だけ明らかに変わった本がある。


「『演奏記号』...?」


少し黄色く変色しているが状態もよく、乱丁等もなさそうだ。


「そろそろ旅立ちか〜って思ってたらそーいや書庫で変な本を見かけたことを思い出したの」


「すげぇよこれ!俺からしたら魔導書だよ...!」


「!」


「しかも差出人は【フード女】だな」


「ひょこっと現れるけどあの人何者よ...」


そういう立ち位置のキャラは後々嫌でも分かるというのが相場なのだ。多分...


かくして思わぬところで自分にとっての魔導書を手に入れることができた。これで毎度豹変するレタブレットを触らなくて済む。


そして改めて出発となったものの、ものすごく心配そうな雅。当たり前だ。マンゴーボックスは軽いコンテナの正方形に近いビッグサイズな箱、サイズイメージは標準なコンテナの0.7×1.25×1.5ぐらいだろうか?2人合わせて100キロを超えるのだがOKがでたからどうにかして目的地まで走ってくれるだろう。


恐れ多くも天馬という高貴なお馬様のボディーにマンゴーのボックステントを1本のロープで括りつけさせてもらい、全員がテントに入る。


次の瞬間、飛行機が離陸したような感覚に襲われた。


「うわあっ!」


うーやんのジャンプで空高く上がったテント、ロープは思わぬ方向へと力がかかり、ギシギシと音をたてる。ヒビキは後々魔法か何かで固定されていたことを知ったが、この時はたまったものでは無かった。


「ストトトトップ!ストップ!こんなダイナミック☆移動なんて聞いてない!とまれぇぇぇぇ!!!」


それでもうーやんは止まらない。うーやんの首に巻かれたレタが必死に首に張り付いている。びゅんびゅん景色が前から後ろへ流れてゆく中で、うーやんと繋がったロープが切れないように願うしかなかった。


5分後...


「うぷっ...おろろろろろ...」


「よくもまぁ、あの揺れのない安定飛行で酔えるわね...安全飛行とは呼べないかもだけど」


「俺に乗り物を酔い止めなしに長時間乗せるのはダメです...おろろろ...」


レタも珍しく怯えている。どうやらうーやんをなめて見ていたようだ。


『うーやん軽く200㎞飛んだわよ...ほぼ音速ね。』


「まじでしゅがおろろろろろろろ...」


うーやんが器用に扉を開けて入ってきた。


『ごにょごにょ...』


『疲れたから袋に飛び込んで寝るらしいよ!』


「お、お疲れ〜た、助かったよぉろろろろろろ...」


ボスタル出発宣言から40分後、ボスタルから北に200㎞の隣の大陸、窓の外には常夏のビーチ広がる海辺へとヒビキ達は(ほぼ無理やり)到着した!


馬力をなめてはいけない。

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