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死んで始めた異世界前奏曲  作者: 寒音キリ
狭間の愉快なフレンズ編
1/45

俺、死にたい


地面と衝突する寸前にふと思った



「あれ?俺なんでわざわざこの場所でこうやって死にたいと思ったんだろう?」



数時間前___



「ヒビキー、金よこせよっ!」



あぁ、元・同クラスのヤンキーだな。耳障りな雑音におもわず耳を塞ぎたくなる。


そしてコミュ障、メガネ、猫背というthe陰キャの三神器を備えた俺、ヒビキは惨めにもいじめられている。


救いを求めるべき対象の親という存在はもうこの世から居ない。俺の家族は全員死んでいるんだ。


五年前、俺が唯一の親友であり、幼なじみでもある木峰 妙花(きのみね たえか)と一緒に出かけていた時、家にいた父、母、姉、弟はそれぞれの部屋で死んでいた。


死因は『謎』。


奏音町一家死亡事件として連日マスコミに取り上げられ、俺は一時期犯人として疑われたものの、まもなく妙花によってアリバイが立証された。


が、かといって犯人が誰かというと、毒物反応、指紋、目立った外傷、足跡等の手がかりは一切無し。捜査は即行き詰まり、数ヶ月もすれば人々から忘れ去られた。


現在その妙花も行方不明となっている始末。妙花にアリバイを立証してもらったと言ったけど、正確には妙花と俺が一緒に居たのを見た人の実証。妙花自身は事件の次の日には居なくなっている。


その時から俺は孤独なんだ。死なないためには貯蓄を切り崩しながら学び、高卒で人生社畜コースに進むしか無かった。進めると思って心のどこかで安心していた。


だけど現実はそうもいかない。


悲しいかな、結局はオタク陰キャ=キモイという理不尽な第三者の思い込みでいじめられっ子になってしまった。


今の自分の置かれている凄惨な状況に目を向ける度に思ってしまう。あぁ人生ってなんて不平等なのだろうか。オタク隠してスーパースターみたいに人気なやつも学校には何人もいるというのになぁ...


髪切るのがめんどくさくて伸ばしてたら根暗だと思われた。ちょっと厚めの眼鏡かけてたら中年のキモオタみたく日頃PCを張り付くように覗き込んでいると思われた。


みんな勝手すぎるんじゃないか。


いじめの痛みからいつか殺されるのではという死を恐れる反面、最低な現実と目が合ってしまってと死にたくなるほどの劣等感を感じる。何故自分はこんなにも惨めなんだろう。


学校に行けば毎日暴力を振るわれる。奴らは賢くて、あざになると目立つ顔などは一切殴らないんだ。服の上から容赦なく殴る蹴るを繰り返し、さらにありもしない噂を流して俺はどんどん孤立させられていった。



友人だと思っていた奴らも俺をいじめるヤツらを見て怯えて逃げてゆく。所詮人間そんなもんかと思う。



教師もいじめを見て見ぬふりをし続けた。



もう耐えきれなくて決めたんだ。もうこんな世界に用はない。生きてて辛いだけだ。



俺、死にたい___



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