中身をしっかり確認しましょう!
「次の作戦は順調か?」
「はい。もうそろそろ完了するかと思われます」
「今度はしくじるなよ。そうでないとお前の命は保障しないからな」
「分かっております。今度こそ必ず例のものを手に入れてみせます」
「お腹すいた。なんか作って」
BlackHumanを見た後に雪村が言うので、力輝は台所へと向かった。
材料の確認のために冷蔵庫の中身を見ておきたいとのことだ。
残り1つのDVDを手に取って内容を見る。
「また恋愛もの」
女子ってなんでこんなに恋愛ものが好きなんだろう?と思う雪村であった。
すると力輝が台所から戻ってきた。
「オムライスかチャーハンならできそうだけど、なにがいい?」
「チャーハンでいい」
「分かった。じゃあテレビでも見て待ってて」
DVD一人で見ちゃだめだよ。と言って台所へと戻って行った。
「はいはい」と軽い返事をしたものの、今の時間帯はニュースしかなくつまらない。そのためさっき聞いたばかりの彼女の忠告を無視してDVDを見ようとパカッと開けた時だった。
「ん?・・・っ!?」
彼は中身とDVDのケースを確認した。
そしてそれは明らかに別物だと分かった。しかしそれだけの問題では済まされなかった。
「(なんだよこれ・・・中身違うじゃん。それにこれっ、いったいなんてもの入れてるんだよっ!?)」
世の中には年齢制限されているものが存在する。
映画・ゲーム・アニメ等。その理由は教育上よろしくないからである。
(例)血や人が惨殺される瞬間などを描いた作品は15歳以上(R-15)とかで表記。
ちなみにこのDVDの中身にはR-18と表記されており・・・雪村・力輝は見てはいけないものなのである。
「おまたせ~」と力輝がチャーハンを持ってやってきた。
おなかがすいたのでパクパク食べる雪村。
「ごちそうさま」
「じゃあさっそく・・・「それ見ちゃダメ」
「えっ?どうして?」
「・・・中身が違うんだよ。ほら、タイトルも違うでしょ」と取りあげて中を見せる。
「あっ、本当だ。美咲さん間違って入れちゃったんだね」と言いがらなぜかDVDを入れようとする力輝を止める。
「なにしてるの?」
「いや、どんなのか見てみようかなって」
「それはダメ。っていうか中身違う時点で見るのやめるでしょ?」
「でも見てみたい。なんか恋愛っぽいし」
「貸して!」
「えっ、ちょっと!」
力輝から無理やりDVDを奪ってケースに入れる。
「これは僕達にはまだ早い・・というか、見ちゃいけないものなの」
「そんなの見なきゃわからないじゃん!」と雪村の手から取り返そうとする力輝。
それに抵抗する雪村。
「しつこいなっ!」
ガチャン
「お前ら、何してるんだ?廊下まで聞えているぞ」
「工藤さん!」×2
「いったいなにをもめているんだ?」
「工藤さん・・・これの中身見てください」
「中身?」
パカッ
「・・・これは」
「彼女が田原先輩に借りているDVDです。間違えて入れたんだと思います」
「なるほど。分かった・・・力輝、これ借りるぞ」
「あっ、はい・・・」
バタンっ
「・・・・結局見られなかった」
「もう!工藤さんにまた怒られたじゃん」
「だって見たかったんだもん・・・」
分からなかったとはいえ、これ以上責めても仕方ないかと思った雪村は
「また借りればいいでしょ?」
次は田原先輩も間違えないと思うし。と彼女にいうと「うん」としょんぼりした状態で返事をした。
「じゃあ、僕は帰るからね。誰も入れんなよ?」
「うん。じゃあまた明日ね」
その頃、工藤さんは
「田原、これはなんなんだ?」
「工藤さん・・これは、その・・・単なる入れ間違いで・・・その、わざとじゃないんです!」
「貸すならちゃんと確認しろ!17と16歳に見られたらどうするつもりだったんだ!」
「ひぃぃっ!?ごっ、ごめんなさい!!」
きっちり怒られていましたとさ。




