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魔法師Mの物語  作者:
第二章 記憶喪失と兄妹関係
94/222

恋愛に疎い彼女の話を聞いているとばかばかしくて仕方がない

「昨日は本当にごめんなさい。反省しています。だから、お願い!許してください」


 翌日の夕方。美咲さんはすぐさま雪村に謝罪をした。



 「田原先輩が何を企んでいたかは知りませんけど、僕が部屋を訪れなかったら

 今頃橋屋先輩、理性がぶっ飛んでたかもしれませんよ?ただでさえあいつ鈍感で無防備なんですから、そこのところ・・・予想はしてなかったんですか?」


 雪村の方も彼女から事情を聞こうとしていたためちょうどいいと思い、彼女に尋問をすることにした。


 「うぅ~そこは考えてませんでした。でも、力輝ちゃんは雪村と一緒にいることが多いからなかなか二人でお話する機会ないでしょ?だから昨日のあれは絶好のチャンスだって思ってつい橋屋の背中を押しちゃったんです・・・さすがに夜見じゃあるまいしそんなことしないって思ってたから安心というのはおかしいけど・・・」

 

 「たしかに夜見先輩よりはましです。でも、橋屋先輩も男ですからどこでそうなるか分かりませんよ?」

  

 夜見先輩の方が力輝と二人きりにしてはならないと言うのは同感らしい。

 しかし、それでも橋屋先輩が安心できるとは限らないと美咲さんに言った直後に彼が姿を現した。



 「えっ、なになに?何二人で話してるんだ?」

 「夜見先輩は要注意人物って話をしてました」

 「なにそれっ!?」

 

 途中から来た彼は何のことを言われているのかが分からなかった。


 「そのまんまの意味です」←雪村

 「まぁ、いいや。雪村気にしすぎだぞ、お前らしくない」

 「僕らしくない?じゃあ、いつもの僕ならどうしてたんですか?」

 

 「う~ん~」×2

 「考えるなら言わないでくださいよ」

 そういわれるとどう説明したらいいのか二人は同時に考え込んでしまう。

 それを言う彼も自分が他人にどう思われているのか分からないので聞いてはみるものの考える二人を見て、だめだこりゃと弱冠聞いた自分があほらしくなってきたらしい。



 「今日、力輝ちゃんは?」

 「部屋にいます。昨日のこともあるので部屋には誰にも入れるなと言っておきました」

 「雪村、お兄ちゃんだね~」

 「田原先輩。立場分かってますか?」

 「はい。申し訳ございません・・・どうすれば許してもらえますか?」

 「橋屋先輩をあいつと二人きりにはもうさせない。それと、しばらく訓練室でさばーく君を出さないって約束するなら許してあげる」

 「えぇええーー!?さばーく君だけはご勘弁を」

 「さばーく君、そんなに大事なのかよ?」

 「それが出来ないなら、僕は田原先輩が力輝に貸しているDVDをカチンカチンに凍らせますからね」

 「そんなぁー!あれはダメ。絶対ダメ―!」

 

 結果、さばーく君をしばらくの間訓練には使わないことを約束し、DVDを取った美咲さん。橋屋さんの件に関しても承諾する。

 

 「そういえば、なんであいつDVDのこと知ってたんだ?」←夜見


 

 ガチャン

 「これ面白いの?」

 「ん?うん。面白いよ?」

 「(また田原先輩から借りてるのか・・・しかもまた恋愛もの)」と雪村はDVDのケース裏を見る。

 

 「最初からもどそっか?」

 「いいよ。僕興味ないし」

 「そう・・」

 

 「あんた、こんなののどこが面白いの?」

 「えっ?う~ん~うまく言えないけど。現実で起きるかどうかは別として・・・こういう出来事が現実になったらすごいなぁ~って。これが恋愛なんだな~って実感?が面白いのかな?でも・・・正直よく分からない」

 「はぁ?分からないものを見てるの?」

 「じゃあ雪村教えてよ。恋愛ってなんなの?」


 「男女争奪戦と無駄な青春」

 質問を返された雪村は、その言葉を口にする。

 彼の毒舌がさらにパワーアップしたような気がした。


 「雪村は恋愛自体を無駄だと思ってるの?」

 「別にそうとは言わないけど。なんかべたべたしてる奴多いし、目障りだし」

 「普通に男女の友情関係は成立すると思う?」

 「はぁ?成立しないでしょ?今の議題は『恋愛というのはどういうことなのか』って話してるのに、なんでそうなるわけ?話をぐちゃぐちゃにしないでよ」

 「ごめんなさい」

 「本当あんたはバカなんだから」

 

 

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