ヘタレが仲間に背中を押されて追いかける
訓練室を出てすぐ、橋屋さんが追いかけてきた。
「田原に『力輝ちゃんを部屋まで無事に送り届けなさい』って言われてさ。いいかな?」
「あっ、はい。大丈夫です」とこうして一緒に部屋まで帰ることとなったのだ。
部屋まで送り届けてもらいお礼を言ってさようならだとばかり思ったのだが、
「あっ、あの・・」と呼び止められる。
「はい?なんですか?」
「えっと。いいずらいんだけど・・・」と橋屋さんは隠し持っていたDVDを取り出す。
さっきからなにかをずっと持っていると彼女は思っていたが、聞くのもあれだしなと黙ってはいたものの・・・。
「テスト勉強終わった後でいいし・・迷惑ならそれはそれでいいしっ」
年下と会話しているのに彼は顔を真っ赤にして自分に話す姿を見て、これはこれで・・・断りずらい雰囲気だと力輝は思い・・・「迷惑じゃないですよ。嬉しいです」と彼に言うと
「本当に?」
「はい。テスト勉強終わった後でいいなら」と彼の誘いをOKしたのであった。
しかしこれは田原美咲という彼女の企みでもありました。
訓練が終了し、力輝が訓練室から出るところを目撃した彼女は・・・
「橋屋、チャンスよ!力輝ちゃんが一人だよ」
「えっ?何言ってるんだよ。仕事まだ残ってるし、ほっぽっていけるわけないだろう」
真面目な彼はいくらチャンスだと言われてもするわけもない。それならと。
「私があんたの仕事の分も働くわ!」
「はぁ!?」
「だから行け!このチャンス逃したら一生後悔するわよ!あっ、これ二人で見てね」
きっと盛り上がるから。と美咲によって彼は力輝を追いかけることになったのだった。




