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魔法のためでも、いなくなられるのは嫌だ
高校へ合格してなんとかひと段落をしていた。
工藤さんの教育係というのもこれで終わりなのかと思いきや、そうでもなかった。
ピピピピッ~♪・・・・・・・ガチャン!!
「起きろ」
バサッ!
「・・・うっ」
いつものように起こしに来るのだ。高校に合格することだけがお前の教育ではない。お前はまだ研修生だと、そう言われたのだった。
「顔洗って着替えてこい」
「はっ、はい」
がっかりはしていない。もう慣れてしまったので、これがぱっとなくなると拍子抜けしてしまいそうだから。
私は内心『いなくなると嫌だ』と、そう思ったのだ。
「今日は訓練室に行くぞ。お前の魔法をこの目で見ておかなければ」
「っ」
その言葉に、思わず動きが止まった。
そうだ。私がここに来たのは魔法のため、だったんだ。
今の今まで忘れていた、もう少しだけ忘れていたかった。
「ん?どうした??」
「いえ。なんでもありません」
工藤さんに心配をかけさせてしまった。こんなことではいけない。
目的を果たそう。そう心に誓ったのだった。
いよいよ魔法が出てきます。これからぼちぼちと