橋屋恭也と工藤力輝の遊園地デート
夜見さんは工藤さんに捕まってすべての事情を話してしまいました。
「なるほど。今頃、力輝と橋屋はその遊園地に向かっているというわけか」
「はい」
作戦では夜見さんが雪村をなんとかして研究所に行かせないようにするつもり
だったのだが、自信がなかったため工藤さんを呼び出してこの危機を乗り越えようと考えていたのだ。
「なにかあったらどうするつもりだ。しかも二人きりで遊園地だなんて」
「一応、田原が着いてるんで問題はないかと」
「・・・・よし。俺達も行くぞ、遊園地」
「えっ!?」
「ちょっと、いつまで二人で話し込んでるんですか?僕をほったらかして」
「雪村。今から遊園地に行くぞ」
「はい?」
話を聞いていない雪村は、訳も分からない状況である。
「そうと決まれば急ぐぞ」
「えっ。ちょっと工藤さん!?」
「ねぇ、どういうこと?遊園地ってこのメンバーで行くの?説明してくださいよ!?」
「いいから黙ってついてこい」
「もう!俺が田原に怒られますって工藤さーん!」
その頃、橋屋と力輝は遊園地に到着していた。
彼らの後ろには、変装した田原美咲が着いており、二人を密かに見守っていました。
ブゥーブゥー
「ん?夜見からだ。・・もしもし」
「あぁ、俺だけど」
「どうしたの?」
「実は・・・ばれました」
「はいっ!?」
おっと。と、二人を見失いそうになったので、慌てて後を追う美咲さん。
歩きながら電話する。
「わりぃ・・工藤さんに話しちまった。今から俺らも遊園地行くことになったから」
「えぇ~」
「貸せ、夜見」
「うわっ。工藤さん!?」
「田原、俺だ」
「工藤さん。・・おはようございます」
「なぜこの話を俺に黙っていた」
「いや・・工藤さんに言えば、反対されるかなと思いまして」
「当たり前だ。またあんなことになったら大変だからな」
「ですよね・・」
「とにかく俺達も今からそこへ向かう。その間二人を見逃さないようにしろ。
なにかあればすぐに連絡。緊急の際は魔法使用を許可する」
「了解です」
と、ここで通話終了。
「よし。なにはともわれ・・・デートを見守りましょうかね~」ととりあえ
ず引き続き見守ることにした美咲さんでありました。




