なんだかんだで優しい私の先生
受験前日は、プレッシャーで全身が緊張に走っていて夜なかなか寝付けなかった。
「明日・・・大丈夫かな」
ネガティブなことを考えていくうちにいつの間にか寝てしまっていたが・・・
翌朝
ピピピピッ~♪・・・・・・・・・・・・・・ガチャン!
「起きろ」
バサッ!!
「・・・・っう」
「良く眠れたか?」
いつもなら『早く起きろ』という工藤さんも優しいお言葉をかけてくれる。
だが私はそれどころかまだ眠たかった。
目をこすろうとするとパシッ!と腕を掴まれて「目をこするな」と言われてしまった。
「顔洗って来い」と言われたので起き上がり洗面台へ
「これに着替えろ。制服だ」
「えっ?」
「私服のままだと不自然だろ?これを着ていれば怪しまれない」
「はっ、はぁ・・・」
どこでこの制服を入手したのかは、あえて聞かなかった。
「大丈夫だ。あれだけしていれば問題ない」
「・・・はい」
朝食を食べ終わった後、受験する高校へと向かった。
工藤さんも「教育係として」と高校まで付いて行ってくれて少しほっとする。
たどり着いてからは一人で高校の中へと入って行った。
そして、入学試験は終了した。
結構できたという自信はあるから、大丈夫だと自分に言い聞かせて終わって少しして教室を出た。
学校の門を出ると、工藤さんが待っていてくれた。
「どうだった?」
「まぁ、自分は出来たと自信はあります」
「そうか。あとは結果を待つだけだな」と工藤さんはそう言って歩き出す。
私もその後に着いていった。
合格発表の日。工藤さんと一緒に見に行った。
掲示板に自分の番号を探すと…
「あった!」
結果は見事合格だった。
「俺が教えたんだ。当然だろ」
「おめでとうと言ってくれないんですね・・・」
工藤さんらしいけど。と私はそう思った。