計画的でないなら、計画的にするまでだ
翌日の放課後。
「夜見、あんたどういうつもりなの?」
「なんだよ、いきなり」
「遊園地のチケットのことよ。あんたからもらったって橋屋から聞いたのよ」
それを聞くと夜見さんは、舌打ちをして「もう言っちまったのかよ。あいつ」と小言を言う。
「あんたが、遊園地のチケット手に入れるだけの所持金があるなんて思わないんだけど」
「失礼だな!俺だってそれぐらい買える金持ってるよ」
「ふーんーどうだか。それで、あんたどうするつもりよ」
「どうするもこうするも。チケット渡しちまったんだから、誰と行こうが自由じゃん?」
「夜見、あんたさ・・・知らないってわけじゃ、ないんだよね?」
「なんだよ?知らないって」
理解できていないようなので、美咲さんは夜見に耳を貸せと言って・・
ぼそぼそ―――
「えっ!?」
美咲さんから耳を離し、夜見は驚いた顔をした。
どうやら知らなかったらしい。
「なんだ。やっぱり知らなかったの?」
てっきり知ってるのかと思ってた。と美咲さんは言う。
「それを知ってて、橋屋にチケット渡したんだって思ってたよ」
「知るかよ、初耳だって!!」
夜見さんは橋屋さんとほぼ一緒に行動したりするのだが、どうやら鈍いらしい。
美咲さんはまぁ、そうだったら怖いけど。とも思っていた。
仕方ないので、夜見さんにも事情説明する。
「なんだよ。あいつ、んなことで悩んでるのかよ・・・」
情けない。と夜見さんは溜め息をこぼす。
「で、お前に話したってわけか・・・なぜ俺を頼らない」
「あんたに頼むと余計なこと言いそうだからじゃない?それにチケットくれた本人の前で言うのもどうかと」
「まぁ、それもそっか・・・って、余計なことってなんだよ!?」
納得しそうになったが、『余計なこと』の部分は流してはくれなかったみたいで、美咲さんはあちゃ~となる。
「まぁ、それは置いといて。あんたにも協力してもらうから」
「それは構わねぇけど、具体的にどんな?」
「あんたにしかできない重要なことよ」
「カッコいいポジション・・・なわけないか」
「脇役も重要で、時にはカッコいいポジションだぜ☆」




