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魔法師Mの物語  作者:
第二章 記憶喪失と兄妹関係
68/222

田原美咲の麻薬×ではなく魔薬○に関する授業

二人が襲われて3日後。解凍及び解剖の結果が出たため会議室へと集まった。


 「魔薬?」×4

 「まやくってあの・・・麻薬?」←夜見

 「違う。魔法の魔を使って、魔薬だ」と工藤さんはホワイトボードに「麻薬」と「魔薬」と文字を書く。そして、「麻薬」の方に×を付けて「麻薬」の方に○を付け分かりやすく説明する。


 「それが・・・あの怪物に?」

 「解剖した結果、二人の体内からこの魔薬が検出された」

 「それについては私から説明させていただきます」と美咲さんが白衣姿で登場し、工藤さんの横に並んだ。こうしているとまるで授業を受けているようだ。


 「魔薬はね。簡単に言えば~」とホワイトボードに書き書きしはじめる。

 それがこれだ↓

 

 『魔薬=魔法をこめた薬』

 『自分の魔法をある特殊な方法によって粉にし、体内に取り込むと一時的に魔法を使うことができる』


 「とまぁ、こんな感じです」

 「つまり。二人を襲った生徒はその魔薬の影響で一時的に魔法を使ったということだ」

 「元々雪村達を襲った二人は両方共、魔法が使えなかったことも分かっていることから第三者が魔薬を彼らに渡して使わせたと見て~我々は考えています☆」

 美咲さん、キメ顔なのかメガネをキリッとさせる。

 

 「それで、肝心のその魔薬は何の魔法だったんだ?」

 「夜見君。いい質問だね~そう。この魔薬の唯一の問題の一つ、それはなぜ彼らは雪村と力輝ちゃんの姿となって現れたかと言う謎」

 

 まるで探偵が真実を・・・真犯人を暴くカウントダウンのような空気になっていた。

 周囲の(工藤さん以外)人は美咲さんの次なる言葉に息を飲む。

 

 「ゴクリ・・・」

 「それは――」

 「それは?」×4

 

 カキカキカキカキカキ――――――

 

 『好きな人の好みのタイプに自分の姿を変えられる魔法』

 ホワイトボードに先ほどの文字よりも濃く大きく書かれてあった。

 

 「つまり変装魔法です!」

 これを見ていた私達は・・・

 

 「お前ら兄妹だぞ!?」

 「夜見落ち着け!おい、何かの間違いだろ。いくらなんでもそれはおかしい」

 「いや、魔薬がその魔法だったってだけで。例外はあるよ」


 「例外?」×4

 「例えば~」とホワイトボードに書き込む美咲さん。

 

 『その1.相手に好みのタイプがいない

  その2.相手に理想の人物像がない』

 「どう違うんだ?」←夜見

 続けてカキカキ~

 

 『その3.家族想いで恋愛経験ゼロである』

 

 「と、こんな感じかな。相手が恋愛経験ゼロで、好みのタイプがいない場合は家族もしくは親しい友人になってしまうという例外も~あったりなかったりするとか」

 「けど、それってうまくできるもんなのか?」

 「確かに・・・」

 

 「これは使用する前に相手の顔を見るだけで理想のタイプの姿にすることができるの。だから、恐らく待ち合わせに遅れた原因はそれかと思います」

 「なっ、なるほど」

 「おそろしい魔法だ」

 

 それを聞いた雪村は工藤さんたちのいるところまで足を運び、ホワイトボードに置いてあったペンのキャップを開けて―――

 「それって、変装魔法じゃなくて・・・・」と言いながら書いたのは・・・・

 『変装魔法×→詐欺魔法○』

 「詐欺魔法って呼んだ方がいいんじゃないんですか?」と美咲さんに向かってそう言ったのだった。

 

 「確かに詐欺だな」←橋屋

 「あぁ~間違いなく詐欺だ」←夜見

 後ろに座っていた夜見さん、橋屋さんも同意見だった。

 

 「ごほん。とにかく、二人が使用したこの魔薬を第三者から受け取ったことは間違いない。狙いは恐らく力輝の方だろう」

 「黒井博士の実験によるレッドアイが狙いでしょうね。ひょっとしたら博士の実験に協力した人物の仕業かも」←雪村

 「その線も考えてこれから調査をする」

 「警察には言わないんすか?」←夜見

 「バカ。警察なんかに言ったら、彼女がどうなるかわからないだろう」

 「橋屋の言う通りだ。警察の協力は下手に取れば報道が動きを掴むかもしれない。

 そうなると俺達もただでは済まないだろう」

 「・・・ですよね」

 「力輝。心配しなくていい。俺達が必ず守って見せる」

 「・・・はい」

 

 「あと、まだ言ってなかったけど。なんで怪物化したかっていう疑問が残っているよね?」と、美咲さんはまたホワイトボードに書き始める。

 

 『魔薬の副作用+非常装置』

 「副作用とは使用した際に出る症状です。麻薬でいう、依存症ではなくて~

 頭痛や吐き気などの症状がこの魔薬には出てきます。しかしそれに加えて、非常装置が取り組まれていました」

 

 「なにそれ?」と雪村が質問する。

 「調べた結果。これは~なんと、爆弾でした」

 「爆弾!??」×3(雪村は叫ぶことなく驚いた顔のみなので含まれず)

 

 「そう。ちなみに今回はへん・・・いえ。詐欺魔法によるもので。これは見破られると効果が切れてしまうのです。それと同時に副作用が同時に姿を現します。恐らく、切れると同時に作動する仕組みになっていたかと思われます」

 「なにそれ。こえぇーーな」←夜見

 「そして我々も驚いたことに、その爆弾と言うのが・・・人間を怪物化にするようにセットされていたみたいなんですよ!」

 「っ!??」×4

 「ようするに、証拠隠滅で効果がなくなれば起動するようにした。捕まっても第三者の足取りはつかめないということだ」←工藤

 「ひでぇやり方だな・・」←夜見

 「人間とは思えないですね」←雪村

 「少なくとも素人じゃないことは確かだ」←工藤

 

 いったい・・・何者なんだろう――――。

 

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