ラブレター事件終戦後
足をひねった私は病院で治療を受けた後、雪村と一緒に研究所へ戻った。
研究所前までたどり着くと、連絡を受けた美咲さんが近くまで迎えに来てくれていた。
「おかえりなさい。力輝ちゃん、大丈夫?」と美咲さんは私の足を見て心配そうに言う。事前に雪村の連絡で知ってはいたと思うけど。やっぱり実際に見るのと聞くのでは違うみたいで驚いていた。
「工藤さんは?」←雪村
「まだ帰ってきてないよ。たぶん現場の安全確認してると思うからもう少しかかると思う」
「そうですか」
「とにかく、力輝ちゃんを部屋まで連れて行こう」
松葉杖を使って、エレベーターまで向かった。
無事にエレベーターまでたどり着き、そこから自分の部屋のある階へと上がり部屋へと到着した。
「二人共、お疲れ様。工藤さんが戻ってきたら聞かれるかと思うけど、いったい何があったのか話してくれる?」
私と雪村は美咲さんに例の手紙をテーブルの上に置く。
「これは・・・手紙?」
「昨日僕達の下駄箱に入ってあったものです」
「へぇ~手紙ねェ~」と美咲さんは二通の手紙の中身を取り出して、その手紙の内容に目を通していく。
「見るからに普通のラブレター。でも、それが同時の下駄箱にしかも内容も場所が違うだけで、ほぼ同じ。なるほど、それでお互いその場所まで行ったんだね」
「僕達はこれは罠の可能性も高いと考えていました。工藤さん達に相談しようかとも悩んでいたんですけど、相手が警戒して出てこない可能性もあると考えて」
「あえて言わなかったんだね」
「罠だと思っていても、本当にラブレターとして偶然に送った可能性もありましたから」
「そうだね。予想外れていたらいくら工藤さんでも・・・」
「別に!そんなんじゃありません」
「おやおや」
美咲さんが雪村にちょっかいをかけている。
「でも、予想以上の誤算でした」
「それは仕方ないよ、雪村。誰だってそういうことはある。いつもの雪村らしくないよ」
「僕だって落込むことぐらいありますよ」
「あれ~そうなの?」
またしても雪村にちょっかいをかける。
「とにかく。二人共、無事で何よりだったよ。工藤さん連絡受けてすぐさま飛び出したからね。すごく心配してたから帰ってきたらちゃんと謝ったほうがいいよ」
「「・・はい」」




