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魔法師Mの物語  作者:
第二章 記憶喪失と兄妹関係
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同時に届いた手紙

放課後の事。監視から護衛に変わった雪村は、並んで一緒に帰るということに

 なったので、今度は私が2年の教室まで授業・または掃除が終わったあとに迎えに行くようになりました。そのため沼口先輩とも仲良くなる。

 

 「お邪魔します」と人が少なくなった2年の教室に入るのも慣れてきた。

 雪村と沼口先輩は、なにか本を読んでいた。


 「何読んでるんです?」

 「見てわかんないの?漫画だよ」

 相変わらずの辛口なお言葉が降り注ぐ。

 彼も漫画を読むんだ。と私は思っていると「言っとくけど、僕のじゃないから」とまるで心を読んだかのように返される。

 となると、沼口先輩のものになるのか。

 

 「えっ?これって・・・」

 よく見てみると、その漫画の内容が・・・少女漫画だった。

 

 「沼口の妹の少女マンガ。勝手に持ってきたんだと」

 「怒られないんですか?」

 「大丈夫だって」

 「っていうか、なんでこんなもの持ってきたわけ。よく担任に見つからなかったよね」

 それはそれで怖い。

 

 「雪村に見せたくって持ってきたんだよ」

 「まさか本気で持ってくるなんて思っても見なかったけどね」と雪村はあきれ顔で呟く。

 「力輝ちゃんも読む?おもしれーよ」

 沼口先輩に勧められて「えっ。あっ、はい」と手に取りぺらぺら~と読んでみる。

 

 「少女漫画なんて初めて読んだけど、こんなのどこが面白いんだかね」

 「そうか?俺は読んで面白かったけどなww」

 「うわぁ~ひく~」

 「なんでだよwww」

 

 と、語り合っている間に私はその漫画を読んでしまう。

 

 「ありがとうございました」

 「「えっ?」」

 「もう読んだの?」

 「はい。面白かったです」

 「いくらなんでも早すぎない?」と雪村に言われる。

 「そうかな?あっ、このシーンとかすごく良かった」

 「どれどれ?」と興味もない雪村が漫画のページを覗き込む。

 

 『靴箱に手紙が置いてある。・・・誰だろ?』女の子は手紙の裏を見るも名前がない。

 それを確認し、中を見る。

 『これは!?ラブレター!??』

 

 「今時、そんなのあるのかな?」

 「でも、あったら素敵じゃない?」

 「女子だけだよそんなの」

 雪村にあっさり否定され、私から漫画を奪い取り「沼口、返す」と本人に漫画を返却。

 

 「さぁ。帰るよ」

 「あっ、うん」

 「俺も!」←あの日以来、鞄を所持して遊びに来ている。

 

 

 と、それから数週間が過ぎたころだった。

 いつものように下駄箱を開けると・・・「えっ?」

 なんと、上靴の上に―――手紙が置いてありました。

 

 私が驚いているその頃、彼も

 ガチャ。「ん?・・・手紙?」

 彼の下駄箱にも――――手紙が置いてあったのでありました。

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