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魔法師Mの物語  作者:
第二章 記憶喪失と兄妹関係
58/222

作り話でも、怖いものは怖い

その後

 

 「それで。居場所は割れているのか?」

 「もちろん・・と言いたいところですが、追跡班を送らせ尾行していたところ邪魔が入りまして、目標を見失ってしまいました。申し訳ありません」

 「邪魔・・・か。まぁ、いいだろ。こちらで調べれば分かることだ」

 「ありがとうございます」

 「で。その邪魔の正体は、分かったのか?」

 「はい。それはもちろん・・・・」

 ドドドドドォーーーン!!!!!!!!!!!


  

 (テレビです↓)

 『うそっ。なにあれ・・・』

 『まじかよ。こんなこと、現実にあり得るのか?』

 真っ黒に染まった人の形をした化物。そいつらは、平和な地球に突然現れた現象。

 『きゃあ――――――!!!!!??』

 外には逃げ惑う人々。黒き化物は外にいる人間たちを次々に襲っていく。

 『いやぁ――――――!!??』

 

 黒き化物の正体。それは・・・ある人間のDNAから採取して科学により創り出された

 クローン。その人間には古代から先祖代々伝わる恐ろしい遺伝子が!!!

 生き残った少年少女たち。黒き化物に恐怖するも立ち向かい、その謎を追っていく!!

 

 「これがね超面白いんだよ~クローン技術によって人々を絶滅の危機にさらそうとしている黒き怪物、『Blackhuman(黒い人間)』。そいつらを止めようと立ち向かう少年少女と途中で遭遇する謎の大人たち。その大人たちはBlackhumanの生みの親を知っている、なんと!科学者たち。しかし!彼らは何も知らずに研究に参加しておりこんな騒動になるなんて知りもしなかった。ともあれ、彼らをひとまず信じて、少年少女たちはその生みの親である天才科学者Mr.K(本名キール・キラー)の研究所へと向かうのであーる!」

 

 美咲さんが熱く語っているというのも関わらず雪村はDVDの入れ物の文章を見て

 「ようするに、ホラー映画ですよね。ここにも書いてありますし」と発言。

 夜見さんと橋屋さんは・・・

 「俺、ホラーもの苦手・・」

 「なんか吐き気しそう」と彼らの顔色が真っ青。橋屋さんは今にも嘔吐しそうで口を手で塞ぐ。そんななか工藤さんはと言うと・・

 「こんなもの、所詮作り物だ」と冷静で興味なさそうだけど、見る気はあるような・・ないような様子である。

 

 途中でDVDを止めた後の皆の感想です。

 

 「力輝ちゃんはどうだった?」

 「う~ん~あんまりよくわからないです」

 「力輝は強いな。こいつらよりは」

 「工藤さんひでぇ(泣)」

 「うぅ・・」

 「ここで吐かないでください。橋屋先輩」

 「お手洗い借りまーす」

 「はい。どうぞ」

 美咲さんは橋屋さんをお手洗いに連れて行きました。

 よっぽどあのシーンが怖かったんだろうな。

 

 止める前(回想)

 『ヴァアアアア―――――!!』

 『ぎゃああああああああーーーーーー!!!!??』

 

 「「ぎゃあー!!!????」」夜見・橋屋

 「きゃあーーーーー!!!」美咲

 「(うるさい)」雪村→耳を塞ぐ。工藤→黙って観る。

 「うわぁっ!?」と私は彼らの奇声に一番驚いていた。

 ある建物の扉開けたら、なんてことでしょ。BlackhumanだけにBlackbox。パンドラの箱というべきだろうか、たくさんのBlackhumanが群がっている部屋を思わず開けてしまい大パニック。扉を閉めるも遅く彼ら人間を全員で追いかけるという大ピンチに。

 

 「大丈夫?」

 「なんとか」

 というわけで、橋屋さんと美咲さんがお手洗いから帰ってきました。

 「ほかになんかねぇのかよ」と美咲さんに夜見さんがいう。

 「そうだね~あっ、これはどうかな?」

 

 (テレビです↓)

 『これは、私がまだ高校に入ったばかりのこと』

 「なんだ。恋愛ものか?」

 「そうみたいだな・・・もうホラーはみたくない」

 「「・・・・・」」雪村・工藤は黙って観る

 

 『先輩。あの・・・ずっと前から好きでした!付き合ってください!!』

 「って、レズ!??」

 「どう?」

 「どう?じゃなくて。なんで俺らにレズもの見せてんだよ!」と夜見さんが美咲さんに抗議をしていると、雪村がまたDVDの入れ物の文章を読んで・・・

 

 「これ。BLも入ってますね。あとは・・・」

 「お前ら観賞中は静かにしろ。マナーがなってないぞ」

 「って工藤さんもこの状況で冷静になれますね?神ですか?」

 「所詮作り物だ。こんなことで・・・」

 

 『俺は女には興味ない。俺が愛しているのはお前だけだ・・・棗』

 「うっ・・・」と工藤さんはそのまま後ろへと倒れ込む。

 「「工藤さん!?」」夜見・橋屋

 『棗。愛してる』

 

 「「(タイミング悪すぎだろ!?))」」夜見・橋屋

 「大丈夫ですか?工藤さん」とさすがの私も心配せざるを得なくなる。

 「大丈夫だ。顔、洗ってくる・・・」

 

 

 「自分の名前が出て・・思わずってやつかな?あれは」

 「不意打ちだったんだろう。さすがの工藤さんでも冷静さを保てなかったのかもな」

 「ていうかさ。なんだよこれ?!レズとBLものミックスかよ。どんな話だよ。これのどこが面白いのさ」

 「えー面白いじゃない」

 「俺、お前の脳みそ、一度切ってどんなものか見てみたいわ」と夜見さんはあきれて彼女に言う。

 「工藤さん、遅いな?俺、ちょっと様子見てくるよ」

 橋屋さんは工藤さんを心配して、席を立った。

 

 「だいたいお前はな・・・・」

 

 『本当に、あなたがお兄ちゃんなの?嘘でしょ?嘘だと言ってよ!?』

 『さっき言ったことは・・全部、本当だ。信じてほしい』

 

 「これって・・・」

 「うふふっ♥」

 

 『俺達は、親が離婚して離れ離れになった・・実の兄妹なんだ!』

 「えぇーー!?」夜見

 

 『そんなっ。私達が兄妹だったなんて・・・それじゃあ、お付き合いも結婚も・・いやぁーーーーーー!!!!!!!』

 

 「消せ―!!!!!」夜見

 「えぇ、これからが面白いところなのに」

 

 「「・・・・」」雪村と私はノーコメントでした。

 

 その頃、工藤・橋屋さんはというと・・・・

 「大丈夫ですか?」

 「・・・頭から、離れない」

 

 どうやらあのセリフが、頭から離れずに縮こまっていたようでした。

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