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魔法師Mの物語  作者:
第二章 記憶喪失と兄妹関係
55/222

また新たな不審者登場?

「今日は病院へ行く日だっけ?何時ぐらいになりそう?」

 「えっと、1・2時間くらいかな?」

 「予約でしょ?なんでそんなに長いわけ?」

 「さぁ。私にもわからなくて」

 「魔法にも関係する病院だから、問題ないとは思うけど」

 「じゃあ、いってきます」

 「いってらっしゃい」

 

 とある休日、私は朝から病院へ検診に出かけました。

 雪村と病院の前で別れた後、私は中で受付を済ませ待合室で呼ばれるまでソファーでくつろいでいました。

 

 数分後、アナウンスで呼ばれた私は先生の元へと向かった。

 「どうですか?その後の調子は」

 「はい。大丈夫です」

 「頭が急に痛くなったとか、身体の調子が悪いとかもない?」

 「はい」

 「わかりました。それで・・・記憶はどう?思い出せてる?」

 「なんとなく~って感じですね。覚えているようで」

 「そうか。まぁ、全部なくなるよりはましかもしれない。お兄さんとは、うまくいってるかね?友達とか」

 「はい。それは大丈夫です。ゆきっ・・兄については、最近よく一緒にいて楽しいです」

 「よかったよかった。不安なこともあるかもしれないけど、先生もできるかぎりのことはするから一緒に頑張っていこう。一日でも早く記憶が取り戻せるように」

 「はい。ありがとうございます」

 「じゃあ、少し検査したいから隣の部屋に移動してくれるかな?」

 「はい」

 

 約一時間後。すべての検査が終了し会計を済ませたあと「もしもし。・・・うん、今終わった。・・・わかった。じゃあ」と電話を済ませ売店で時間をつぶすことにした。


 「ねぇ君?」

 「はい?」

 突然声を掛けられた私は振り向くと目の前になにやら怪しい人物が・・・。

 黒い帽子にサングラス。派手そうなイメージの中年男性だった。

 

 「なにか・・?」

 じーっとみられている。サングラスを外してさらにじーっとみられる。

 

 「あっ、あの・・・・」

 「うちの連れになにか用ですか?おっさん」

 そこへ、雪村が割り込んできた。

 

 「雪村っ」

 「あぁ、ごめんごめん。あまりにも可愛かったから、つい声かけちゃったんだよ」

 「大の大人がこんなところでナンパしないでくれます?子供もいるんだから」

 「すんません。じゃあね、お嬢さん」

 そう言って、手を振って中年男性は立ち去って行った。

 

 「あっ、ありがとう」

 「何やってるの?子供じゃないんだから、無視しときなよ」

 「いや。急に声かけられたから、びっくりして・・・」

 「何もしてこなかったから良かったけど、もし武器とか持ってたらあんた即死んでたよ」

 「・・・ごめんなさい」

 雪村に説教されてしまった私はしょぼんとした。

 さっきのは私が悪いと認めたうえで謝ったが、心の底では『なんでだろう。自分が悪い

 のに、怒られているのが嫌な気分になる』と思ってしまう。

 

 雪村は私を見て溜め息をついたあと「ほら、終わったから帰るよ」と手を握って出口に

 向かって歩き始める。

 「雪村、手・・」

 「あんなのにつられちゃったら面倒だし。こうしておけば声もかけられないだろ」

 「そっ・・そうだね」

 「今なんか変なこと考えたでしょ?」

 「えっ?!そんなことは」

 「言っておくけど。僕はあんたのことなんてこれっぽっちも思ってないからね」

 「それは・・・はい」

 病院の外に私達が出て行った後、先ほどの中年男性が現れ誰かに電話した姿が

 とらえられた。


 「間違いありません。・・・・・・はい。近くに行って確認が取れました。・・・はい。了解

 しました」

 ピッ。

 

 電話を終えた後、その男はどこかへと姿を消した。

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