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魔法師Mの物語  作者:
第二章 記憶喪失と兄妹関係
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友人にも疑われるストーカーとその他もろもろ疑惑

雪村が職員室に向かった後、2年特進の教室で待っている私は沼口先輩とおしゃべりをしていた。沼口先輩は雪村と同じ中学出身らしく高校でクラスが離れてもこうしてよく遊びに来るという。なにか聞かれるかなと思っていたが、案の定沼口先輩がたくさん雪村の中学時代を話してくれたおかげで少しほっとしていたのだが・・・。


「身体のほうは大丈夫なの?入院してたんだろ?」

「えっ、雪村先輩に聞いたんですか?」

「いや。風の噂ってやつで、入院したって聞いた」

風のうわさ・・・こわい。入院してても風のうわさでここまで。


「そうですか。まだ通院しなきゃいけないんですけど、大丈夫です」

「いや~それなら良かった。雪村のやつ珍しくしょんぼりしててさ」

「えっ?」


数週間ぐらい前

「雪村、おはっ」

「・・・」

「雪村?雪村~?雪村君?雪村~まことちゃ~ん」

ガシッ。いきなり首を片手で締め上げる雪村に沼口先輩は「ぎぎぎっ、ギブッ、ギブっ!」と机を叩いてそう叫ぶとすぐさま首を締め上げている手を素早く離した。


「はぁ・はぁ・・・死ぬかと思った。聞こえてるなら返事ぐらいしろよ」

「だからって、人の名前で遊ばないでくれる?少し考え事してたんだよ」

「考え事?あぁ、そういえばお前がストーカーしてる子「ストーカーじゃないって言ってるだろ。あれは監視でやってるんだよ。説明しただろ」

「他の奴らから見たら、ストーカーにそう違いはねぇと思うけどな」

「それで、なに?何か言いかけてたけど」

「あっ、そうだそうだ。その子入院したって風の噂で流れてるけど、本当か?」

「・・・本当だよ」

「まさかお前が?」

「沼口、何か勘違いしてないか?今回は僕じゃないよ」

「今回はって…お前まさか!?」

「うるさい、声がでかいよ。沼口」


放課後

「よぉ~雪村。今日は帰れるだろ?」

「悪いけど一人で帰って。僕用事あるから」

「病院か?」

「なんでもいいでしょ」



と、現在に至る。

「とまぁ~そんなわけで窓の外を見てぼんやりしてたりしてて、俺はてっきりついやっちまったのかとばかり思ってたわけ」

なにをやってしまったのかは黙っておくとして、それはしょんぼりしていたのだろうか?

ただ朝は眠いだろうからぼんやり外を眺めていただけなのではと思ってしまう私。


「監視のことを知ってるってことは・・」

「いや。深いことまではしらねぇよ。俺がしつこく聞いたもんだからつい口が滑ったんだと」


再び説明を聞くと…

「お前こそこそなにやってんの?1年生ストーカーしてるって風の噂で広まってるぞ?」

「なにそれ。僕がストーカーしてるの見たことあるの?証拠はあんの?」

沼口先輩が友人から獲得した証拠動画を雪村に見せる。

「俺、これを見たとき信じられなかったけど・・・でも、俺お前が男好きだと思ってたからすげぇ安心したわwwwwwwwwwww」

ガシッ!!と雪村が沼口先輩の頬をつねる。

「いててててっ・・・やへろ・・・やへろって」

「僕だって好きでこんな事してるわけじゃないんだよ。これは監視。監視なの。分かった沼口?」

「わかふた・・わかふたから・・・はなひて・・・」とつい喋ってしまったらしい。



「なるほど・・・」

「女に興味ないしさ。マジで俺はあいつのことを疑ってたわけ。だからその話を聞いて一安心しちゃったってわけwww」

「男の人が好き。だと?」

「そそ。あんなやつだけど、仲良くしてやってくれ」

「はい」

男の人が好きというのは、間違いではないのかもしれない。

(忘れてはいるが、彼本人はそのことは否定しており、あくまでも工藤さんは尊敬の意味として想っているらしい)


「お待たせ」

「おう。遅かったな」

「担任にもう少し丁寧に書けって言われて説教食らった。あーくたびれた。帰るよ」

「俺も一緒でいいか?」

「好きにすれば」

「やったー!」

「じゃあ、さっさと帰るよ」と雪村は机に置いてある鞄を取って肩にかける。

「あっ。うん」

「雪村、待てよ!俺教室におきっぱ!?」

「先行ってるよー」

「あぁーこの鬼!」

「今から下駄箱まで走るよ」

「えっ。でも廊下は走っちゃだめって・・・「教師いなきゃ問題ないよ。走るよ」

「あっ、待って!」と走る雪村に続いて私も走る。

「こらぁあ!雪村ーーーーーー!!」

「早く取りに行かないと本当に帰っちゃうよ~」


こうして、1日は平和に過ぎていきました。


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