テレビとトランプ
なにもすることがなかったので、テレビでも見ようかという話になった。
が、しかし・・・
「わからない。何も思い出せない・・・」
「なんだって!?」
「記憶喪失ですね。ご家族のこと友人・自分の名前さえも覚えていないそうです」
「そんなぁ(泣)」
「先生。なんとかならないんですか!?」
事件に巻き込まれた女子高校生が記憶喪失になってしまい、日常生活で犯人に命を狙われるというミステリーでした。
「チャンネル変えようか」と雪村は気を使ってチャンネルを変えるが・・・
変えるたびに・・・生き別れた兄と奇跡の再会やら、4人家族の家が全焼やら、実は隠し子やらのひどいものばかり。
「テレビ消そう。面白くない」
「そう・・・だね」
どうしようかと悩んだ雪村に「トランプでもする?」と持ちかける。
「・・じゃあそれで」
「なにする?」と雪村が聞く。
「ルール分かるものなら」
「ババ抜き・神経衰弱・7ならべ」
「じゃあ神経衰弱」
数分後
「お邪魔しまーす。あれ?何してるの?」とそこへ様子を見に美咲さんが
やってきた。
「見て分かんないですか?神経衰弱ですよ」
「あっ、私もまーぜて」と美咲さんが参加した。
「もう終わったんですか?」と聞くと「うん。なんとかね」と返す美咲さん。
「工藤さんは一緒じゃないんですね」
「うん。まだかかるみたいだよ~雪村は工藤さん好きだねぇ」
「聞いただけでしょ?変なこと言わないでください」
「それにしても、二人共会ったときよりもずいぶん仲良くなったね~」
「別に」
「あらあらツンデレかな?」
「おわりー。・・・・・・・はい。僕の勝ち」
「まだ時間あるけど、どうする?」
「それなら~花札しよう!」
「ルール分かりませんよ」
「私も」
「う~ん~じゃあ、チェス」
「わかりません」×2
「じゃあ、オセロしよう」
「3人でできませんよ」
「じゃあ~「ババ抜き」
すると後ろから、いつからいたのか工藤さんのお姿が。
「お疲れ様です。工藤さん」
「ずいぶんと楽しそうだな、雪村。力輝も」
「そうなんですよ。私が来たときには神経衰弱してて楽しそうに・・いててて」
雪村が美咲さんのほっぺをつねる。
「いたいっ・・・本当のこと言ったまでなのに・・・」
「雪村」
「すみません・・・」
それから工藤さんと4人でババ抜きして楽しい時間を過ごしましたとさ。




