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魔法師Mの物語  作者:
第一章 新たな生活と力輝の過去
5/222

鬼がいなくても油断大敵

 あれから数週間が経った。

 最初はまったくわからなかった中学の基礎もだいぶ分かるようになってきた。

 

 「今日はここまでだ。残りの時間はこのプリントをしていろ」

 「すごく多い・・・・」

 「なんか言ったか?」

 「いいえ、なにも言ってません」

 

 なぜなら、一日の授業のあとにくるプリントが山積みでやってくる。

 しかもそれはほぼ苦手科目、過去にテストで間違えた問題などが多いため悪戦苦闘することしばしば。

 

 それでも、工藤さんによる授業は全然と言って嫌でもなかったのだ。



 そんなある日

 「明日一日来れなくなった。変わりの奴に来させるからそのつもりで」

 「はい。わかりました」

 「これは明日までの特別課題だ」と渡されたのはノート数冊、かなり分厚め

 もった瞬間、がくっとその重みが手に走る。

 

 「じゃあ、しっかりやれよ」

 そう言い残し、工藤さんは去って行った。


 部屋に戻った後、特別課題を早速取り掛かることに。

 中身は工藤さんの字で書かれた問題に解答と解説がびっしりと。

 

 「工藤さん・・・・・やっぱり私より字、きれいだな」

 そんな私は感動するよりも、情けさが増していくことに落ち込んだ。

 

 

 翌日

 ピピピピッ♪~

 「・・・・・・っん?」

 

 いつもと違うと感じて、今日は自分で起きた。

 本来はそれが普通だが、ここに来てからいつも目覚ましが鳴ると同時に起こされるため、違和感を感じたのであった。

 

 「そっか。今日は来ないんだった」

 すぐに身体を起こして洗面台で顔を洗い、服に着替える。

 

 「そういえば、変わりに来る人って誰だろう?」とその時だった。


 タッタッタッタッタッ・・・・・!!!

 ガチャン!!

 

 「はっ・・・はっ・・・はっ・・・・」

 「えっ?」

 「ごっ、ごめんね。遅くなっちゃって・・はっ、はっ・・・」

 「いっ、いえ。あっ、どうぞ中へ」

 「あっ、ありがとう・・」

 

 息が上がっていたのでお水を用意した。

 「ごくっ・・・ごくっ・・ごくっ・・・ぷはっ!あぁ~生き返った」

 「よかったです」

 

 眼鏡をかけた髪短めの女性。

 この人が工藤さんの言っていた人、なのか??


 「いや~工藤さんに時間に間に合うように研究所に来てあいつを起こしてこいって言われたのに、私寝坊しちゃって」

 「いっ、いえ大丈夫です」

 「あっ。自己紹介がまだだったね。私は田原美咲たはらみさき、よろしくね」

 「はい、こちらこそよろしくお願いします」

 

 グググーーーー・・・

 「お腹すいたよねww食堂行こっか」

 「はい」

 

 研究所には地下1階に食堂があるので、私達はそこへ向かうことにした。

 いつもは工藤さんに作ってもらっているのでいままで一度もここでご飯を食べたことがなかったのだ。

 

 「美咲さんは工藤さんと仲良いんですか?」 

 気になったので聞いてみた。


 「う~ん~そんなにかな?私工藤さんの2つ下だしね。そんなに話さないの」

 「そうですか」

 それからは、いろいろと世間話をしたりして朝食を終了した。

 

 

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