兄妹だとしても夫婦じゃない!
「コンビニとかでもいいじゃない。なんでスーパーなの?」
「なんとなく・・それじゃあ怒られる?と思って」
「工藤さん?」
「たぶん」
スーパーに到着して、まず最初にしたことチラシを持って安いものを買う。
「主婦じゃないんだから・・・」
「ごめん。持たせちゃって」
「いや、構わないけど。無理しないでよ?倒れたりしたら僕一人の体力では持たないから」
「あっ。あそこのにんじん安い」
聞いてないし。まぁ、工藤さんにも連絡したから誰かついてきてることは確かだし、大丈夫だとは思うけど、と買い物に付き合わされる雪村。
数分後、買い物を終えて部屋へと戻ってきた。
「もうおなかペコペコだよ」
「ごめん。今から作るから」
「料理できるの?記憶は?」
「大丈夫。たぶん・・・」
うわぁ~あやしい。と疑っていた雪村だったが、数分後にオムライスが出来上がった。
それを食べたら「・・・おいしい」と素直にぱくぱくと食べていた。
「どうも~あれお食事中?」
「美咲さん。こんにちわ」
「雪村、だけずるい~私も食べてみたかったな~オムライス」
「食堂で食べればいいでしょ」
「今の所大丈夫?気分とか悪くない?」
「大丈夫です」
「そっか。良かった~お外出かけるって聞いたときは心配してたんだけど」
「二人ほどついてたけどバレバレでしたよ」
ごちそうさまでした。と食器を流し台につけてすぐさま洗う雪村。
「そうなんですか?」
「うん。工藤さんが頼んだの。なにかあったら雪村だけじゃ大変だからね」
「だったら僕達だけにしなきゃいいのに」
「工藤さんが忙しいのは知ってるでしょ?それに、力輝ちゃんには雪村がいるんだし、できる限り二人の時間を作ってあげたいじゃない」
「そりゃどうも」と食器洗いを終え拭いたあと棚の中へと戻す。
「雪村、偉いねぇ。食器洗って棚に戻して」
「これぐらい普通でしょ」
「うんうん。このまま二人暮らしをしてもいいんじゃないかな?」
「ちょっと、何を言ってるんですか!?」
「冗談だよ。冗談」
「もう」
「力輝ちゃんはどう思う?雪村と暮らしてみたいとかって思ってる?」
「えっ?」
「答えなくていいからね」
「あっ、うん」
「そんなこと言って~本当は聞きたいんじゃない」
「思ってません!ところで、そろそろ戻った方がいいんじゃないですか?」
「あらいけない。じゃあ、また様子見に来るからね~」
美咲さんはそう言って部屋から出て行きました。




