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魔法師Mの物語  作者:
第一章 新たな生活と力輝の過去
43/222

夜中にやってきた男性

その日の夜のことだった。

いつものように眠れない夜を過ごしていた時のこと、外が騒がしかったために余計に寝ても

いられなかった。


「侵入者はまだ見つからないのか?」

「申し訳ありません」

「一刻も早く捕まえるぞ!」

「「はい!!」」


「侵入者?」

ガタン!

「っ!?」

突然の物音にビクリと反応する。「なんだ?」と扉の方へと近づくとガチャン!!


「ここは・・・部屋?」

「痛っ」

「誰だ?!」

「痛い・・・」と扉から出てきた私は鼻あたりを両手で抑えてうずくまる。

勢いよく扉を開けた反動で思い切り壁に身体を叩かれて、あげくのはてに扉の方に鼻をバシッ!となってしまっては、とても耐えられない痛みである。


「すまない。いるとは思わなかったんだ」と手を差し出して私を立ち上がらせた。

よく見ると大人の男性だった。いきなりのことだらけでなにがなにやらだった。


「君、名前は?この部屋でなにをしている?」

「おじさんこそだれ?」

「これは失礼。私は・・・ん?誰か来るみたいだ」と男は急に姿を消した。

すれ違いで、研究員たちが部屋の中へと入って来て「怪しいやつをみなかったか?」と話かけてくる。

「さっきまでいたけど、きえちゃった」と正直に話すと「そうか、ありがとう」と急いで部屋から出て行った。


すると、「やれやれ。参ったな」と後ろから現れた男にびくっとする。

「どうしてきゅうに消えたの?」

「ん?それはね~な・い・しょ」

「そう。じゃあいいよ」とそっぽを向いたら「実はこのマントを被ると消えたようになるんだよ」といいと言ったのに種明かしをする彼。

「まだ開発中だけどね。結構便利だよ」とニコニコと話す彼に私は「なんでもいいけど、にげなくてもいいの?おじさん」と言い放つ。


「ご心配ありがとう。でも、まだ逃げるわけにはいかないんだ」

「どうして?」

そう聞くと、私を見つめて「こんな可愛い子を一人にするわけにはいかないからね」と頭を優しくなでる。


「おじさんにゆうかいされてあげたいけど、わたしはここからでられないの」

誘拐はともあれ、彼はそれを聞いて「どうしてだい?」と私に尋ねる。

「わたしはあの人たちの実験に協力してあげないといけないの」

「君は、自分の意思でここにいるのかい?それともその人たちに言われて」

「・・わからない。なんでここにいるのかも、でもわたしがやらないとこまるって言われてたのは覚えてる」


それから彼は覚えている範囲でいいから教えてくれと聞かれて、私は彼にすべてを話した。彼はそれを聞いて思いつめた顔になっていくのがわかった。


「だからわたし、ここにいなくちゃいけないの」

「・・・・」

「おじさん。またあの人たちが来ないうちにかえったほうがいいよ」

わたしは窓の方へと走って、外に研究員がいないかと左右を見て回る。

「おじさん、外だれもいないよ。今のうちにはやく」

だが、おじさんは動こうともしなかった。ただベッドに腰かけたまま・・・じっと。


「おじさん?」

おなかでもいたいの?と聞こうとすると、いきなり両腕をガシっと掴まれてこう口を開いた。

「必ず・・・必ず君を助けにいく。だからもう少し待っててくれ」

「おじさん。わたしここにいないと「おじさんがなんとかする。信じてほしい」


それからおじさんは「また来る」と言って消えて行った。

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